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Accountant's magazine vol.47

-アカウンタンツマガジン-
2018年04月01日発行

会計プロフェッションによるコラム「Accountant's Opinion」

特別編「わが国会計・監査の発展と課題――。青山学院で過ごした時代を振り返りつつ」

大原大学院大学
会計研究科教授・博士八田 進二

私自身は、「会計や監査を勉強してよかった」と思うことが多々ある。例えば複眼的思考を身につけられたことだ。簿記は、売り手と買い手のように、常に一つの事実を2面的に把握する。ともすれば“売り手の論理”に走りがちになるところを、相手の立場も含めて複眼で、俯瞰的に眺める訓練をしたことは、実生活の様々な場面においても役に立つ。ただし、残念ながら現在の会計業界は、いま一つ魅力を欠き、優秀な人がなかなか参画してこないという現実がある。そこを変えるためには、今いる会計人が社会的なリスペクトに足る職業人になる必要がある。パブリック・インタレストを守るという、強い覚悟を持たなければいけない。

魅力ある職域は広がっている。私は早稲田大学の修士課程で日下部與市教授の指導を受け、監査論の虜になった。亡くなる直前の講義で、「会計専門職には批判的機能、指導的機能があるのは当然として、これからは創造的機能が期待されている」とおっしゃったのは、強く印象に残る。それがどういうことなのか、4年前の論文で私なりの結論を出した。会計士は、最先端の経済活動に触れることができる。現存の会計基準に収まらない経済取引が現れたら、それをどう処理すればいいのか、提言できる立場にある。要するに、会計基準に従うだけでなく、それをつくり上げるイニシアチブを取る――会計人ならではの、創造的任務といえるのではないか。

気がつけば、戦後日本の会計監査制度発展の歴史の過半を経験してきた。国際的な信頼を勝ち取るためにも、これからも常に制度の見直しと改革が必要になるだろう。私自身“終わりのない旅”が続くような気がしている。研究者、教育者として私をここまで育て、フォローしてくださった幾多の方々に、心から感謝したい。

Profile

大原大学院大学 会計研究科 教授・博士 八田 進二

大原大学院大学会計研究科教授・博士八田 進二

慶應義塾大学大学院商学研究科博士課程単位取得。博士(プロフェッショナル会計学・青山学院大学)。青山学院大学経営学部教授、同大学院会計プロフェッション研究科教授を経て、名誉教授に。2018年4月、大原大学院大学会計研究科教授。日本監査研究学会会長、日本内部統制研究学会会長、金融庁企業会計審議会委員等を歴任し、職業倫理、内部統制、ガバナンスなどの研究分野で活躍。

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