The CFO –ニッポンの最高財務責任者たち-
Nintホールディングス株式会社
コーポレート部門執行役員小牧 史典
日本と中国でECデータ分析サービスを展開し、発展著しいEC市場にバリューを提供し続けるNintホールディングス株式会社。上場を直近のメインミッションとして、CFOを務めているのが小牧史典氏だ。監査法人から事業会社を経て、この急成長ベンチャー企業で“最高の仲間”と日中をブリッジした事業に取り組む。公認会計士という基盤を生かし、「ワクワクする」フィールドで躍動する彼のキャリアストーリーをひもといてみよう。
公認会計士という資格を知ったのは、将来の自分を模索していた高校生の頃。「経営コンサルティングができる、何だかかっこよさそうな資格」というのが第一印象だったそうだ。
「難易度が高いことも知り、難しいほうがやりがいもある、そんな思いで会計士を多く輩出している大学を選び、進学しました。今にして思えば、ゴールから逆算するバックキャスティング的思考ですが、そこまで深く考えていたのかな(笑)。面白そうで、ワクワクしたら飛び込んでいく。そもそもがそんな性分なんです」
「全国最強の学内ダブルスクール」を標榜する経理研究所に籍を置き、公認会計士試験の受験勉強に取り組んだ。3年次のお試し受験を経て、少しバイトに熱中しながらも4年次の2度目で合格。2009年に中規模監査法人に就職し、会計監査業務に従事する。
「上場会社の監査でインチャージを経験できたのは大きかったですね。決算体制、管理体制という経営管理の基本を実地で学び、J‐SOXのコンサルティングや財務デューデリジェンスなどの知見も積むことができました。ここで会計士としての基本をしっかり身につけられたと思っています」
監査業務に充実感を覚えていた小牧氏だが「ビジネスの現場に近いところで仕事がしたい」との思いがふくらみ、ベンチャー企業に転職する。経理や監査対応、さらに予算管理や上場準備にも取り組んだ。念願のビジネスの現場で数字と格闘する日々を送った。
「内定時の陣容は30名規模でしたが、入社までの短期間で合併などを経て200名規模になるなど、ベンチャーならではのダイナミックな動きに驚かされました。事業理解を進めながら、上場を目指して大量のタスクにひたすら取り組む。事業会社のメンバーとしてどう動いていくか、その現場で学んだことは、今も確実に生きています」
しかし、準備に注力した上場はかなわず、上場会社への売却というエグジットが決まった。グループ入りした親会社で開示業務などに従事した後、小牧氏はいったん独立という選択をする。個人事業として小牧公認会計士事務所を設立し、フリーランス的なポジションで様々な案件に携わっていく。
「監査法人や上場準備会社からの業務委託案件などを手がけ、経験を積んでいきました。その中の一つがNintです。月に数日程度の経理業務を中心に業務受託をスタートしました。中国でECデータ分析のビジネスを始め、日本での上場を目指している。何とも面白そうな会社という印象でしたね」
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Nintホールディングス株式会社コーポレート部門執行役員小牧 史典