The CFO –ニッポンの最高財務責任者たち-
株式会社スマートドライブ
取締役CFO高橋 幹太
「移動の進化を後押しする」をビジョンに、クラウド型車両管理サービスなど移動データを活用したサービス開発を手がける株式会社スマートドライブ。同社CFOの高橋幹太氏は、有限責任あずさ監査法人(入所時は朝日監査法人)の出身である。監査法人在籍中にベンチャー支援に携わったことが、キャリアの転機になったのだという。
専門職志向が強く、小学校の卒業アルバムに書いたのは「弁護士になりたい」。そのとおり、大学も法学部に進学し、弁護士を目指すのが当然のなりゆきだったのだが……「クラスメイトと比べて、自分は法律がそれほど好きになれなかった(笑)」と大学2年次に方向転換。得意だった数学を生かせる公認会計士の道を選ぶことに。
「とはいえ、この頃からすでに『いずれは事業会社で働きたい』と考えていました。専門職でありながら、業種業態、事業内容に関係なく、どんな会社でも汎用的に使える能力を身につけられるのが会計士という職業。そんなイメージがありましたから」
大学卒業後は「面談していただいた方の雰囲気が穏やか」で、「自分に合っている」と直観した朝日監査法人に入所。以降5年間は、国内上場企業の法定監査にあたった。現場のインチャージも無難にこなせるようになった頃、「今までとは違う業務をやりたい」と自ら異動を希望する。異動先は、国内事業会社の監査をしつつ、IPOを目指すベンチャー向けのアドバイザリー業務も行う部署だった。
結論からいえば、この部署での経験が、高橋氏の転機になる。
「入所後の5年間は、〝出来上がっている〟大手企業に、こちらが〝勉強させてもらう〟ような気分がどこかありました。一方、異動先で支援し始めたベンチャー企業は、組織が小さくまだ未整備で、経営者との距離も近かった。勉強させてもらうばかりでなく、自分が5年間をかけて学んだことを、還元できる部分もあったと思います。やがて、経営をさらにもっと近くで見たい、経営の当事者になりたいという思いがふくらんできました。しかし、監査法人に在籍している限り、外部からサポートする立場は変わらず……当事者にはなれません。だったら事業会社に飛び込んでみようか、と」
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株式会社スマートドライブ取締役CFO高橋 幹太