事務所探訪
朝日税理士法人
同法人を設立したのは、大手監査法人で会計監査、上場支援に従事していた山中一郎氏、蜂屋浩一氏。税理士法改正で税理士法人設立が認められた2002年、「税務に関する恩恵を最も受けるべき中堅・中小企業やベンチャーに、最適で優良なサービスをリーズナブルな価格で提供したい」という思いから、起業。たった2名の公認会計士による船出だった。
「独立当初、税務の実務経験が少なかった私たちは、クライアントの確保にも一苦労。金融機関や知り合いから紹介してもらった仕事をコツコツこなし、人員を増やしていく繰り返し……。しかし、従来の会計事務所にはない、斬新で幅広いサービスを提供したいという信念だけはまったく衰えませんでしたね。ただ、振り返れば独立のタイミングは悪くなかった。その頃からIT業界を中心にベンチャーが次々と登場し始め、設立・上場支援の引き合いが徐々に増えていきましたから」
同法人は税務支援に加え、会計、アドバイザリー業務が得意という「プラスアルファ」の強みを生かし、多くの企業から厚い信頼を獲得してきた。そして、“共に成長を”のスタンスで、業界問わず大手・中堅企業まで幅広い顧客にコンサルティング、株価算定、企業組織再編、連結納税を、また個人向けには相続、資産管理、事業承継業務をきめ細かく提供。城南支社や神奈川支社も加わり、現在、120名超のスタッフを抱える規模に成長を遂げている。
「私たちには“オンリーワンパートナー”という理念があります。それは『お客さまとの間に上下はない。フラットなパートナーでありたい』という思いです。成長企業をサポートすると、常に新しい分野の勉強を迫られます。しかし、お客さまから何でも頼られ、相談され、議論できる関係を継続したいなら、私たちも常に吸収、成長を目指す必要がある。満足いただくためには、常に何かプラスアルファを提供するのは当然なのです」
近年は、タイ、インドネシアなどへの海外進出の支援、国際税務もサービスメニューに加わった。さらに、全国10カ所に広がる「朝日税理士法人全国協議会」のネットワーク構築も活発だ。
「協議会全体で400名以上のメンバーがおり、情報網を築き上げています。税務の事案を相互に収集し、組織として共有できるのも大きな強みですね。また、月1回、各法人の代表者が集まって会議を開催し、若手同士は年に1回の研修会を行いレベルアップも図っています。トップだけではなく、現場担当者レベル間でも強固なつながりがあるのです」
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朝日税理士法人蜂屋 浩一
蜂屋氏は公認会計士の資格を取得後、大手監査法人に入所。上場企業・外資系企業の会計監査、上場支援に携わる。2002年、代表社員の山中一郎氏と朝日税理士法人を設立。得意としていたベンチャー企業の会社設立支援、株式上場支援のほか、税務相談、コンサルティングなど幅広いサービスメニューを提供。グループ会社・朝日ビジネスソリューション株式会社の代表も務める
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