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「東急連結グループの多様なビジネスに伴走しながら、最適な経理体制を実現する」
東急ファイナンスアンドアカウンティング株式会社
経理・財務最前線
株式会社りそなホールディングス財務部
りそな銀行、埼玉りそな銀行、近畿大阪銀行の3行を擁する「りそなグループ」。その経理・財務機能を統括するのが、りそなホールディングスの財務部だ。同部は、IR、資本戦略、国際的な金融規制強化に対処するバーゼルチーム、そして財務会計グループと内部統制室で構成されている。かつては3行それぞれが分かれて主計業務を行ってきたが、コミュニケーションエラーを防ぎながらスピード感ある経営を目指すため東京本社に集約する現体制に移行した。
同グループは2003年に、“りそなショック”と呼ばれる巨額の公的資金注入を受けた。「真っ先に手をつけたのが財務改革でした」と財務部長の福岡聡氏は当時を述懐する。
「銀行は社会の公器でもあります。しかしながら“りそなショック”により、お客さまと株主に大変なご迷惑をおかけしてしまいました。信頼を回復するため、各種規制や法令に則り、財務の健全性と革新性をしっかりと示すこと――これが我々にとって最大のミッションでした」
総資産49兆円を有する巨大な金融グループとあって、一般企業に比べ高い健全性を要求されるのは当然のこと。だが「さらに透明性を増すため開示に工夫を凝らしました」(福岡氏)。
また、決算作業のシステム化・早期化も実行。こうした変化を促しているのは「りそなの常識は世間の非常識」という故・細谷英二会長の言葉だ。業界に先駆けて年中無休店舗やグループ銀行間24時間365日振込を導入するなど、改革のDNAを持つ銀行として知られている。16年5月には「3年後をメドに印鑑なしで様々な取引ができるサービスを全店に導入する」ことを発表した。
「改革に挑戦する姿勢は、“守り”のイメージの強い財務部門も同じです。連結納税の導入が早かったのもそのためで、部員が個性を発揮し、自由に発想することを歓迎する文化があります。財務たるもの数字の正確さは当然ですが、さらにお客さまに喜ばれるために、金融規制を解釈するなど、『ここを変えれば、今以上のお客さま満足につながる』というアイデアをカタチにしていきたいのです」
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財務部長福岡 聡
ふくおか・さとし/1989年、早稲田大学政経学部経済学科卒業後、埼玉銀行(埼玉りそな銀行)に入行。埼玉りそな銀行営業サポート統括部長兼埼玉エイティエム支店長を経て、2015年4月、りそなホールディングス財務部長に就任。現在に至る。