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「東急連結グループの多様なビジネスに伴走しながら、最適な経理体制を実現する」
東急ファイナンスアンドアカウンティング株式会社
経理・財務最前線
株式会社INPEX財務・経理本部
日本最大のエネルギー開発企業である株式会社INPEX(旧国際石油開発帝石)。世界二十数カ国で石油・天然ガス・再生可能エネルギーの探鉱、開発、生産、販売を行い「エネルギーの安定供給を通じて社会に貢献する」ことを使命とする。
そんな同社の屋台骨を支えるのが財務・経理本部だ。安藤亮太氏は言う。
「我々の事業は、油価と為替の動きによって業績が大きく左右されます。安定的な資金繰りはもちろんのこと、経営の羅針盤とすべく複数シナリオを想定した収支・損益予想を作成し提供すること。財務・経理本部として一番力を入れているのはそこです」(安藤氏)
同社の財務・経理本部は大きく3つのユニットに分かれる。資金調達と資金運用、トレジャリー等を担う「財務ユニット」、単体決算とグループの連結決算、グループ全体の税務ガバナンスとリスク管理を担う「経理第1ユニット」、国内外のプロジェクト子会社の決算業務と税務申告業務を担う「経理第2ユニット」である。油ガス田の開発を進めるにあたってはプロジェクト毎にプロジェクト子会社を立ち上げるのが一般的だ。その数は現在約70社。安藤氏はそのうち、アジア・オセアニア地域のプロジェクト子会社を担当している。安藤氏に限らず海外事業所とのコミュニケーションが日常的に発生するため、メンバーには英語力が基礎スキルとして要求される。
事業の特性上、国際税務の重要性も大きい。各産油国は独自の税制を設けており、当該国の税制理解、税務リスク管理、また移転価格の管理など考えるべきことが非常に多い。谷口レイモンド氏も、同社で国際税務を担当するメンバーの一人だ。
「経理第1ユニット内の税務グループに所属し、グループ全体のタックスプランニングなどにあたっています。なかでも私が主となって動いているのは税務規定の策定です。やはり各地の経理や税務チームとコンタクトを取りながらの作業になります。日本人が考える税務ポリシーに対して海外から様々なフィードバックが返ってくるので、その取りまとめは苦労するところ(笑)。でもそこが面白いところでもあります。難題にチャレンジする気持ちと、チームプレイに徹する姿勢が必須ですね」
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左から、安藤 亮太/谷口 レイモンド
経理第2ユニット 子会社決算第1グループ
マネージャー 安藤 亮太
1997年、東京大学文学部卒業後、石川島播磨重工業株式会社(現I H I)入社。2003年、公認会計士第二次試験合格、朝日監査法人(現有限責任あずさ監査法人)入所。13年、国際石油開発帝石株式会社(現INPEX)入社。
経理第1ユニット 税務グループ
谷口 レイモンド
2008年、南山大学経営学部卒業後、住友理工株式会社に入社し、国内税務、財務、M&Aサポートなどに従事。14年、住友重機械工業株式会社に入社し、国際税務に従事。20年、国際石油開発帝石株式会社(現INPEX)入社。
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