〝要〟の存在として競争力の基盤に

中国塗料株式会社は、船舶用塗料および工業用塗料に特化した機能性塗料メーカーだ。なかでも船舶用塗料においては、国内シェア６割を誇り、世界市場でもシェア２割を占める〝グローバルニッチ〟プレイヤーとしての地位を築いている。

国内外における競争力を支える〝要〟が経理部だ。部門は現在10名体制で、単体決算、連結決算、税務対応をそれぞれ担う担当者を配置している。公認会計士といった有資格者も在籍し、高い専門性と多様なキャリアを備えた体制が整う。

年商の過半数を海外が占める同社経理部の業務も、必然的にグローバルとなる。海外子会社と連携しながら、国際展開を支える実務を幅広く担っている。

同部をリードする部長の片桐浩司氏は、「売上の66％を海外が占め、グループ全体で17の海外子会社を展開するなかで、単なるバックオフィスにとどまらず、グローバル展開を支える中核機能としての役割を担っています」と語る。

実際、業務においても海外拠点との連携は不可欠だ。とりわけ連結決算では、各国の子会社との情報共有や調整が求められる。壁となるのは、言語やタイムゾーンだけではない。

「例えば、日本では一般的な税効果会計がアジアの現地法人では馴染みがないというケースもあり、その際は、リモートでの対応ではなく、現地へ出張して対面で調整を進めたりもします。そうやって進出各国の監査法人と連携しながら、グローバルネットワークをつないで〝経理の精度〟を保つ。それが私たちの重要な役割なのです」

経理部は20代から50代まで、世代のバランスが取れた人員構成だ。近年は、複数の20代若手が中途採用で経理部に参画。それぞれが監査法人やアウトソーサーでの経験を生かして即戦力として活躍している。いずれの社員も「経理職を突き詰めたい」という明確な意志を持って同社に応募してきた。

「職能に対する真摯な探求心は、部門としても大歓迎です。業務の専門性を高めつつ、実務経験が偏らないように配慮しており、連結・単体・税務といった主要業務は複数名でシェアしています。ジョブローテーションを通じて、幅広い実務に対応できる体制を整えています」