事務所探訪
新創監査法人
東証プライム・スタンダード・グロースなど上場会社の監査をはじめ、私立学校法人を中心とした非営利法人の監査及び有限責任監査法人の監査も手がける新創監査法人。約80名という陣容は中小監査法人に分類されるが、エンターテインメントやメーカーなどクライアントの業種は多岐にわたる。パートナーの横江俊亮氏は「新創ならではの監査への取り組みスタイルに、メンバーが成長できるポイントがある」と語る。
「監査品質を最重視するトップメッセージ及び組織風土のなかで、メンバーは企業系の金融商品取引法と会社法の法定監査だけではなく、学校法人、公益法人の非営利系の法定監査及び任意監査にもアサインされ、様々な領域の監査をバランスよく経験を積んで育っていけるのです。また、若手であってもパートナー、マネージャーとともに重要な勘定科目の検討や重要な監査手続きに携わることができます」
新創監査法人の監査への取り組みについて代表パートナーの髙橋克典氏がフォローする。
「私たちは監査人としての独立性を重んじながら、時には膝を突き合わせてディスカッションを重ねながら、ともに成長する姿勢を大切にしてきました。会計監査のスキルを磨きながら、対話のなかからクライアントの事業を理解し、携わる仲間とコミュニケーションを重ね、さらに事業理解を深めていく――その積み重ねの先にクライアントと私たち、双方のリスペクトが生まれるのです」
同法人が目指す監査は、ルールを守ることのみにフォーカスする〝番犬型〟ではない。伴走しつつ経営課題の解決に寄与する〝課題発見型〟の監査について、横江氏が説明してくれた。
「監査法人の仕事は、主に決算書の信頼性を保証することです。そのなかで自分たちは何を提供するのか? 監査の手続きにはどのような意味があるのか。そういった根本を理解し、クライアントにその必然性と理由を説明できることが大切です。その先に、〝信頼〟に基づく新創ならではの監査が見えてきます」
現在、これまでメンバーが会計基準や監査基準を中心に監査業務を通じて培ってきたスキルやナレッジなど、監査に関連する知見を所内で共有するための所内プラットフォームの進化に向けた検討を進めている。
「会計知識と監査経験で数字を読み解き、その後ろにある経営者の思いや考え、営みにも思いを馳せる――対話や傾聴の方法論も大切ですし、その人の魅力や人間力も問われます」と横江氏。クライアントに寄り添い、さらに信頼される監査法人になるため、所員の専門性を高めつつ、人間性を重視したコミュニケーションにも重きを置く。
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新創監査法人左から、髙橋 克典/横江 俊亮
代表パートナー 公認会計士
髙橋 克典(たかはし・かつのり)
1990年、慶應義塾大学商学部卒業。96年、公認会計士第二次試験合格。同年、柳沢・迫本公認会計士事務所(現新創監査法人)入所。日本公認会計士協会東京会副会長、日本公認会計士協会理事、日本私立学校振興・共済事業団私学経営相談員などを務める。
パートナー 公認会計士
横江 俊亮(よこえ・しゅんすけ)
大学在学中の2010年、公認会計士論文式試験合格。11年、早稲田大学商学部卒業。同年、証券会社を中核とした金融機関に入社。経理業務などに従事する。14年、新創監査法人に入所。23年、パートナーに就任。監査業務を手がけながら、法人の採用プロジェクトも担当している。
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