事務所探訪
税理士法人クオリティ・ワン
開業以来、一貫して税務調査にフォーカスしてサービスを提供してきたクオリティ・ワン。代表の渡邊勝也氏が「税務調査官よりも税務調査を経験してきた」と自負するだけあり、圧倒的な現場経験が強みを支える。
「平均して月間で約20件の税務調査を手がけています。立ち会うだけなら簡単ですが、私たちはお客さまに調査が入る前に5年分の修正申告を済ませて準備することがほとんどです。修正申告では、領収書がなかったりした場合に経費などを推定して計算することもあります。調査本番まで2~3週間で一気に行いますが、この修正申告まで含め、月間20件単位でサポートできるのは税理士業界でも私たちだけではないでしょうか」
「税務調査に強い」と聞けば、税務調査官OBの税理士が連想される。手法を熟知しているだけに、調査官の先手を打った徹底的な対策が期待できるだろう。しかし、クオリティ・ワンは渡邊氏を筆頭にプロパーの税理士チームでサービスを提供。そこでは、税務調査官と勝負し、納税減額を勝ち取るというスタンスは取らない。かかわる人すべてが納得し、腹に落ちたうえでのフィニッシュを目指す。
例えば、税務調査官OBの強みは経験則にあるが、属人的ではなく、チームで共有できる“技術”に重きを置く。この技術は、渡邊氏がビジネススクールで学んだファシリテーション&ネゴシエーションを税務調査に応用し、現場の数をこなしてブラッシュアップしてきたものだ。ロールプレイング、現場同行を重ね、チームとしてのスキルアップにも余念がない。
税務調査のサポートにあたって、『納税額を減らします』と公言することはありません。結果として、納税額が半分程度に収められることもありますし、2~3%程度は重加算税を請求される例もある。しかし、税理士は納税額の多寡を制御できません。私たちは税務調査に不安を抱え、ペナルティを取られるのではないかと疑心暗鬼になっている経営者に、安心感と納得感を担保することに最善を尽くします。それは、技術と経験値によってコントロールできるものだからです」
そう語る渡邊氏は「経営者が納得したうえで、適正に納税をしていただく」という思いを前面に出し、税務サービスを提供してきた。税務調査に際しては多額の法人税、重加算税、延滞税から逃れるために税理士に相談する、と考える向きもある。しかし、「納税して国に貢献してこそ、経営者もスタッフも豊かになっていく」というのが代表者としての認識なのだ。
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税理士法人クオリティ・ワン渡邊 勝也
1996年、中央大学文学部社会学科卒業後、学生援護会(現パーソルキャリア)入社。タナベ経営、ジャパンスポーツマーケティングなど数社を経て、2010年、税理士登録。同年、TAXGYM 渡邊勝也会計事務所(現税理士法人クオリティ・ワン)を設立し、代表税理士に就任。学生時代よりアメリカンフットボールに親しみ、ベンチプレスでは日本一を目指す、税務調査官よりも税務調査を行っていると評される肉体派税理士。