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「東急連結グループの多様なビジネスに伴走しながら、最適な経理体制を実現する」
東急ファイナンスアンドアカウンティング株式会社
経理・財務最前線
マネックスグループ株式会社経営管理部
同グループは持ち株会社である同社の傘下に、日本でオンライン証券ビジネスを展開するマネックス証券をはじめ、米国および香港のオンライン証券会社、FXビジネスを営む金融関連子会社、アセット・マネジメント会社、M&Aのアドバイザリーの子会社などを有しており、6カ国に12の拠点を設けている。
経営管理部は役員を除き13名(うち2名は派遣社員)の体制で、グループの連結決算、予算策定および予実管理、子会社管理とIR業務を担っている。体制の整備されているマネックス証券と海外子会社2社以外の経理業務は、同部のメンバーが兼務するかたちだ。なお財務部門は、同部とは別に置かれている。
同部の役割について、蓮尾聡執行役員経営管理部長は「財務会計をきちんとやるのはもちろん、経理に上がってきた数字を分析し、管理会計的に会社の現状把握を行うことにより、経営に資することに力を注いでいます。またIR部門が経理と同じ部内にあるというメリットを生かし、両者が協力して、よりきめ細かく正確な情報をスピーディに投資家のみなさんに提供したいと考えています」と話す。
蓮尾氏は同社の社風を、「よいものであればどんどん取り入れて、サービスとして提供する。そういう“先進性”をものすごく大切にしているんですよ」と表現する。そうした考え方は、2013年3月期決算からのIFRSの任意適用というかたちで、経理部門でも具体化された。
「ご存じのように、IFRSの適用をめぐっては政策面での様々ないきさつもありましたが、我々はそれらに先んじて導入を決めました。当社は出発点が日本のオンライン証券なので、ドメスティックな会社に見られることが多いのですが、“グローバルにオンラインのリテールビジネスを担う企業”を志向しています。ならば会計でもグローバルな土俵に乗り、世界を相手にさらなる業容拡大の条件を広げていこう、というのが狙いなのです」
まだ導入企業も少なく、様々な困難を抱えながらも、人員補強を図りつつ、プロジェクトのスタートからおよそ1年半で目標を達成した。
「決算期間の短縮など、まだまだ課題はありますが、特にIFRSに慣れた外国人投資家の方には、わかりやすい決算になったのではないでしょうか。グローバルでの競合企業との比較も、しやすくなったと思いますよ」
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執行役員 経営管理部長蓮尾 聡
はすお・さとし/1993年3月、東京大学法学部卒業。日本長期信用銀行(当時)、UBS証券会社(当時)、三菱証券(当時)などを経て、2005年5月、マネックスグループに入社。マネックス証券取締役、執行役員営業本部長を経て、10年10月、マネックスグループ執行役員経営管理部長に就任。関連会社数社の取締役も兼務している。