- vol.74
-
「「第2の創業」がスタート!グローバル事業のさらなる伸長を数字で支える要石に」
日立建機株式会社
財務本部
経理・財務最前線
株式会社UKCホールディングス経理部
同社は、共にソニー製半導体の販売特約店だったユーエスシーと共信テクノソニックが2009年に経営統合して誕生した。持ち株会社であるとともに、UKCエレクトロニクス、UWテクノロジーズなど国内子会社の、総務人事、経理財務などのシェアードサービスの機能も担う。
経理部は部長以下13名の体制で、単体決算や連結決算の主計を担う経理課と、管理会計を中心に担当する管理課の2課から構成されている。また経理部所属のメンバーではないが、海外の主要子会社には、経理を中心に見る管理職クラスが計5名、現地駐在員として東京から派遣されている。
同グループは、我が国最大のエレクトロニクス専門商社だ。経理部門長兼経理部長の松浦満矢氏は「右から仕入れて左へ売る、という単純な商流を記帳するというのは昔の商社の経理の話だと思う。製造業がその生産拠点を海外へシフトしているなか、商流も複雑化しており、循環取引につながる二重売り上げを見逃さないよう全体をよく把握していないといけない。また、売掛債権や在庫などの管理に、経理の立場からリスクマネジメントにかかわっていくことが重要な役割」と語る。
松浦氏はさらに、「管理課で取りまとめている予実管理に関して、部門や部という大くくりではなく、共通費もすべて課に配賦して課ごとに業績を管理する仕組みになっているのも当社の特徴かもしれません」と言う。
「会社1本で起票すれば作業は1行で済みますが、課ごととなると、経理課側の負担も大きい。共通費の配賦も複雑になる」
にもかかわらず、きめ細やかな業績管理を実行するのは「マネジメントの最小単位は課であり、最前線のマネージャーは課長。彼らが利益管理についてきちんと意識して仕事をすることが、非常に大切なこと。その積み上げで会社が成り立っている」という認識があるからだ。
出来上がった数字を示すだけではなく、経理の視点でこれから始まろうとするビジネスのサポートをすることも多い。
「シンプルな記帳だけではない。複雑化している、と申しましたが、例えば、製造元は開発費を一括で欲しい、他方顧客は仕入れる商品に細かく上乗せして分割で支払いたい、というような事例がしばしば起こり、ケースに応じた様々な調整を求められる。そういう要求に対して、適切な事務処理方法を営業に提示し、会計処理をすることが我々経理の使命」
そうした、ある意味イレギュラーな案件は、「かつては事後に経理が見つけて説明を求めるということが多かったが、現在では事前に営業担当者などが相談に来てくれるようになった」そうだ。
この記事の続きを閲覧するには、ご登録 [無料] が必要です。
経理部門長兼経理部長松浦 満矢
まつうら・みつや/1985年3月、同志社大学商学部卒業後、鉄鋼メーカーに入社。経理部、営業部勤務を経て、97年、株式会社テクノソニック(現UKCホールディングス)へ転職。経理、経営企画、管理などの業務に従事。2012年4月、経理部長に就任した。