公認会計士「研修出向制度」体験者リポート
武田薬品工業株式会社
経理部(税務)海老澤 淳
まず、略歴からお教えください。
海老澤大学の物理学科を卒業後、人工衛星に関する科学技術計算などを手がけていたソフトウェア会社に就職しました。3年間の勤務後、より高い収入を求めて外資系の医薬品営業支援システムの会社に転職し、その1年後から1年弱、公認会計士資格取得の勉強を開始しました。幸運にも第二次試験に一発合格し、新日本監査法人に入所したのです。
公認会計士を目指した動機とは?
海老澤友人から、「年収が高い」と聞いて(笑)、ならば目指してみようと。それと、SEの仕事に少し飽きてしまったという理由もありました。
新日本監査法人では、どんな仕事を担当していたのでしょうか?
海老澤私は、新日本監査法人の地区事務所である、愛媛県の松山事務所での採用となりました。松山では十数社のクライアントの監査を担当し、OJTをこなしつつ、1年目からインチャージの役目もおおせつかりました(笑)。初めて法定監査を受ける会社や、税法基準に基づく決算から会計原則に基づく決算に移行する会社などを担当できて、仕事は面白かったです。その後、大阪事務所に移り、金融チームで地銀や証券会社の監査を担当しました。勘定科目一つとっても独特なので、かなり勉強しましたね。
出向制度に手を挙げたのは?
海老澤イントラネットの掲示板で知り、飛びつきました。監査の仕事は、企業の財務諸表などを外からルールに照らしてチェックすることです。それも確かに面白いのですが、それだけではなく、一度事業会社の中に入って数字そのものをつくる仕事にかかわりたいと考えていたのです。
出向先が武田薬品工業と聞いて、いかがでしたか?
海老澤事前面談で、「税務でもいいか?」と聞かれましたが、大丈夫ですと答えました。武田薬品工業で税務をやるんだとわかった時は、ちょっとビビりました(笑)。経理部全体で50人体制という大規模で、超優良のグローバル企業ですからね。でも、やりがいは大きいと感じました。
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武田薬品工業株式会社経理部(税務)海老澤 淳
武田薬品工業株式会社経理部長 コーポレート・オフィサー
当社は、2008年にミレニアム・ファーマシューティカルズ社を、2011年にはナイコメッド社を買収するなど、大型のM&Aを手がけ、対応国が28カ国から一気に70カ国に広がった。もちろん、今もグローバルの事業展開は加速している。
それに伴い経理業務も拡大し、即戦力として活躍してくれる優秀な人材を求めていた。もう一つ、国際化の進展とともにダイバーシティ化を推進し、多様なキャリア人材を採用して、変化に強い組織づくりを行うことが全社の方針となった。そんなタイミングで研修出向制度ができたことを知り、会計知識を備えたプロフェッショナル人材を迎えたいとお願いしたわけだ。
海老澤君には、国内の税務申告の責任者になってもらっているほか、国際税務もサポートしてくれているが、期待どおりの活躍をしてくれている。職場の評判もよく、安心だ。異業界で活躍した経験を取り入れることで、当社の守備範囲が広がる効果も生まれると思う。