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「東急連結グループの多様なビジネスに伴走しながら、最適な経理体制を実現する」
東急ファイナンスアンドアカウンティング株式会社
経理・財務最前線
東ソー株式会社経営管理室・財務部
総合化学メーカー・東ソーの業績好調が続いている。2017年3月期の決算では営業利益と経常利益が共に1100億円超と過去最高益。18年3月期の中間決算でも、通期業績は営業利益、経常利益、純利益いずれも3年連続の過去最高更新を予想している。近年、塩ビ樹脂やウレタン原料など汎用品(コモディティ)と、セラミックスやバイオ関連など高付加価値品(スペシャリティ)をバランスよく強化してきた同社だが、それが盤石な財務基盤にもつながっている。
経理財務機能を担うのは、経営管理室に在籍する48名と、財務部7名のメンバーだ。本社の経営管理室は財務会計や税務申告を担う経理グループ、管理会計を担う管理グループ、内部統制グループの3つに分かれている。ほかに本社外では、山口県の南陽事業所で14名、三重県の四日市事業所で10名が決算業務などにあたっている。
「幸いなことに今は、決算数字を心配する必要がありません。このいい流れを断ち切らないよう、経理部門としてはやるべきことを全うすることを第一にしています。決算発表の延期や不正行為など、会社の信用を落とし株主さまにご迷惑をかけるようなことがあってはいけません。個別具体的に見ればBEPSやIFRSへの対応など課題はいくつかありますが、経理が担うべき根幹の部分に心を配っています」と、経営管理室長の河本浩爾氏は言う。
メンバーを一見してわかるのは、その若さだ。ほぼ半数を20代の若手が占めており、ベテランはグループリーダーを務めるわずかな社員のみである。
聞けば、新卒入社後に各工場の経理に配属され、3年ほど経験を積んだのち経営管理室または財務部に異動してくるのが常だという。だが彼らもここに長く籍を置くことはない。30歳前後でまた異動していくのがこの部署の伝統であり、入れ替わりにまた若手が配属される。
この人材の流動性の高さは、何を意図したものだろうか。
「若くして会社全体を数字から理解できる環境がここにはあります。将来、どの部門に異動しても役に立つ貴重な学びが得られることでしょう。実際、経理の素養を持った人材を他部門に供給することも私たちの大事な役割だと考えています。事業の採算を考えるにもリスクを検討するにも、数字のセンスを持つことは必要ですから。経理を経験した後に営業に回る者もいます。常にどこかしらの部署から人材を求められている状況が続いていますね」
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取締役 常務執行役員 経営管理室長 兼 購買・物流部長河本 浩爾
かわもと・こうじ/1980年、神戸大学経済学部卒業後、東ソー株式会社入社。南陽事業所経理課に配属される。本社経営管理室、ポリマー事業部企画管理室、全社システム開発プロジェクトなどでの勤務を経て、2009年、経営管理室長。16年、取締役常務執行役員に就任。IT戦略室、総務部、広報室、秘書室担当。経営企画・連結経営部、財務部、人事部、監査室関与。