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「東急連結グループの多様なビジネスに伴走しながら、最適な経理体制を実現する」
東急ファイナンスアンドアカウンティング株式会社
経理・財務最前線
ライフネット生命保険株式会社経理部
テレビCMでもおなじみの同社は、2008年、実に74年ぶりの独立系生命保険会社として誕生した。インターネットで、安くてシンプルな保険商品を提供するというビジネスモデルは大きな注目を集め、開業5年目の今年8月には保有契約件数が14万件を突破。3月には上場も果たしている。
成長期のベンチャーを支えるのは若さと活力だ。そのダイナミズムの一端は、大手監査法人で保険会社などの監査に携わっていた成相衆知経理部長の、入社のいきさつにもうかがえる。
「06年暮れ、岩瀬大輔副社長が『ネット直販の生保を立ち上げる』と述べている新聞記事をたまたま目にしたのです。監査業務も5年、そろそろ転職を考えていた時期でしたし、生命保険会社を主に担当していたこともあり、勝手に運命的なものを感じて、岩瀬氏のブログを読み始めました。ブログ上で人材募集するはずだと、網を張った(笑)」
翌年春、予想は的中する。しかし、なぜかそこに”経理担当“の文字はなかった。
「意を決し、『経理部が必要となったら読んでください』とメールで履歴書を送信。そしたら数時間後に、『面接にきてください』と返事があったのです」
そんなプロセスを経て、成相氏は07年7月、生命保険準備会社ネットライフ企画に入社、当時10人前後だった初期メンバーの一人となる。ただし08年5月の開業前は、経理の仕事はまだ多くはなかった。
「開業を目指すメンバーの一人として、会計士としてのキャリアも生かしつつ、当社にとって必要だと思うことを率先してやりました。組織の体制整備の方策を考えたり、金融庁向けの資料を作成したり。なにしろ戦後初、74年ぶりの独立系生保の参入ですから、生命保険業の免許取得には苦労しました」
実は生命保険をネットで販売する企業自体、世界を見渡しても数社しか存在していない。
「どんな体制にしていくのか一つとっても、全社的にも経理部門的にも、どこにもない世界を自分たちの力でつくっていくというイメージでしたね。大変でしたが、未来志向で仕事ができたという感じがします」
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経理部長成相 衆治
2000年3月、名古屋大学経済学部卒業、2002年10月、公認会計士第二次試験合格後、新日本監査法人(現新日本有限責任監査法人)に入所。03年2月、KPMGの監査部門が独立し設立された、あずさ監査法人へ。保険会社、証券会社などの会計監査業務に従事する。07年7月、ネット生命保険準備会社であるネットライフ企画株式会社(現ライフネット生命保険)に転職。11年4月、経理部長に就任。