「ともに成長する」というビジョンを事務所名に掲げ、２０１６年に創業したＧｒｏｗｔｈＰａｒｔｎｅｒｓ税理士法人。代表を務める山岸秀地氏は大手税理士法人、会計事務所など３社を経て、26歳の若さで独立した。税務・財務サービスのほか、経営のアドバイスやベンチャー企業の成長支援も手がけ、資金調達、売り上げアップ、経費節減の相談にも乗る。このスタンスは、山岸氏が独立前から思い描いてきたものだ。

「私たちは税理士法人として少し異色な存在なのかもしれません。記帳代行や税務顧問といった一般的な税理士業務だけではなく、売り上げの拡大や経費の削減支援、資金調達などの支援にも力を入れています。それは、資金繰りや人材の確保に難題を抱え、悩む経営者を目のあたりにし、もっと成長と安定に向けた支援ができないか、と考えるようになったからです。経営が導き出した数字を見ながらコンサルティングにあたり、企業の成長と安定を支えていく。これが私たちの喜びです」

所員35名でサービスにあたり、クライアントは５００社を超えている。業界や規模にこだわらず、多岐にわたる企業を支援してきた。ＩＴ企業にエンジニアやマーケターをアサインしたり、資金調達の支援で投資家を紹介したりすることも。クライアントのネットワークを活用し、時には企業同士のマッチングで課題を解決する。

「スポットでの支援から中長期的なコンサルティングまで、スタッフの増強とともにサービスを拡充できています。しかし、決して順風満帆だったわけではありません。開業当初はメンバーが個々にクライアントに接し、税務サービスを提供。売り上げも個々で管理する仕組みでした。しかし、個人プレーの集積では一体感が出ず、組織としての体をなしていませんでした。ガバナンスが効かず、売り上げの未収が多発するなど、苦い失敗もあったのです」

税理士法人として組織を改編するにあたり、実働チームに加えて管理部門などバックオフィスの整備に注力した。試行錯誤の末、法人が持つナレッジ、スキルを惜しみなくクライアントに提供できる体制を確立する。

「ともに成長する」というビジョンには、企業の成長を支えるだけではなく、自分と仲間がともに成長し、常に前進していくという〝志〟が加えられた。