事務所探訪
HLSグローバルグループ
同グループの出自は、極めてユニークである。
「1990年、米国市場に進出した日系企業のサポートを目的とした会計事務所「Hotta Liesenberg Saito LLP」がロサンゼルスに誕生。基本的に日本人のバイリンガルスタッフが会計監査、税務、コンサルティングのサービスを提供する事務所で、これが私たちのルーツなんですよ」と株式会社HLSグローバルの渡慶次憲彦代表は語る。
「私自身、米国でCPAを取得し、ロスの事務所に入ったのですが、周囲も含めてだんだん日本に出張する機会が増えた。ならば日本に子会社をつくろうということになりました」
そのあたりの事情を、税理士法人HLSグローバル代表社員の飯塚隆氏は「バブル崩壊後、米国でお付き合いがあって日本に帰国した人が、外資系企業に移るケースが増加しました。彼らから、英語ができ米国会計基準に長けた専門家はいないか、という問い合わせが米国本社に多く寄せられるようになったのです」と説明する。
つまり日本での顧客は、外資系企業が主。日系企業を対象にする米国のビジネスを裏返しにして、“逆輸入”した、といえる。
日本法人の設立は2001年。昨年、飯塚氏を代表とする税理士法人を立ち上げた。現在、総勢25名の陣容で、公認会計士5名、税理士3名、米国公認会計士5名が有資格者のプロ集団だ。
グループは、監査、会計・税務、それに会計事務所の経験を生かしたコンサルティングを行うアドバイザリーの3つのチームからなる。ただ、「セクションにこだわらず、案件ごとに必要なスタッフが集まって対応する、チーム横断型の取り組みを基本にしている」(渡慶次氏)そうだ。現在のクライアントは50ほどで、外資系企業がメイン。企業規模や業種を問わず、幅広くサービスを提供している。
「英語での対応に特化していますので、他の会計事務所、税理士事務所と差別化できた仕事をしていると思っています。また、海外の会計事務所とかたちだけの提携をするのではなく、うちは本当に信頼でき、実質的な協力体制を築ける真のパートナーを独自で各国に探し、アライアンス体制をつくり上げています。それでも本当のクライアントニーズからみれば、道半ば。グループはまだ成長段階にあるという認識です」
ところで同グループの強みの一つは、“フロントランナー”である米国に、太いパイプで結ばれた拠点を持つこと。
この記事の続きを閲覧するには、ご登録 [無料] が必要です。
vol.16の目次一覧 |
---|