
The CFO –ニッポンの最高財務責任者たち-
株式会社ベーシック
執行役員 コーポレート部門長清水 英次

「事業の成長を人の数で解決しない」をパーパスに掲げ、AIの活用で企業の業務プロセスを再設計する株式会社ベーシック。同社の執行役員として、コーポレート部門を率いるのが清水英次氏だ。有限責任 あずさ監査法人で10年のキャリアを積んだのち、事業会社に転身。2026年3月には、東証グロース市場への上場を成功させた。「あと2年で時価総額100億円」という大きな目標を達成するべく、清水氏はさらなる成長戦略を描く。
中学から大学付属校に通い、そのまま内部進学。大学生になり、厳しい受験を経てきた同級生と机を並べた時、〝ビハインド〟を感じたという。
「中高で好きなことをしてきた分、大学の4年間は何かにしっかり取り組もうと考えたのです。数字にはもともと興味がありましたし、自分の強みもそこにあるだろうと思い、公認会計士に興味を持ちました」
四半期報告制度やJ-SOXの導入を控え、会計士の需要が急拡大していた時期のことだ。業界全体が門戸を広げていた。先輩たちが通う専門学校では、学生同士が切磋琢磨し、3年次までの合格を目指す空気があった。
「嘘か本当かわかりませんが、3年次まで走り切った受験生の合格率は9割を超えると言われていて、それなら自分も受からないわけがないなと(笑)。3年で、というわかりやすい目標があり、その後のキャリアも広がりそうな会計士を目指すことにしました」
狙いどおり大学3年次に合格を果たし、あずさ監査法人に入所した清水氏。キャリア初期には若さゆえの失敗もあった。学生合格の勢いのまま「調子に乗った」と本人は反省する。
「クライアントへのヒアリング中にうとうとして叱られたことがあります。『あの若い会計士は何だ!』と。当然です。小さな会社から見れば、会計士は若くても〝先生〟であり、期待される立場なのに。プロとして成長するべく意識を改めました」
以降は、上場企業の会計監査と内部統制監査を中心に経験を積んだ。入所3年目に現場を取り仕切るインチャージを任され、その後マネージャーに昇格。局所的にアドバイザリー業務などを経験したこともあるが、〝監査人の王道を歩んだ〟と法人内での自身のキャリアを振り返る。
「そもそも、監査業務自体が楽しかったですね。監査はパズルを解くのに似ていると私は思っています。まず大きな論点を構造化し、直接検証できる単位まで落とし込み、一つひとつを確認した結果として、大きな結論を出す。その一連の作業にゲームのような面白さがありました」
数年に一度「新しい挑戦がしたい」という思いが頭をもたげ、転職を検討したこともある。だが、絶妙なタイミングでロールが変わり、学びがあったことで、転職は見送られた。ふと気づいた時には、入所10年目。このタイミングを節目に、改めて自身の〝これから〟を考えてみた。
「人生100年時代となった現在、仮に70歳までここで働くとすると、この先40年も監査法人にいることになります。それで本当にいいのか?と。監査法人が嫌になったわけではないのですが、長い人生を考えれば、若いうち、一度外の世界を見ておくのも悪くない。そう思い、転職に向けて、アンテナを広げ始めました」
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株式会社ベーシック執行役員 コーポレート部門長清水 英次
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