監査法人の未来を担うエースたち
有限責任監査法人トーマツ
監査・保証事業本部 IPO監査専門チーム(東京)草場 麻美子
監査法人で「エース」級の成果をあげる公認会計士を紹介する当連載。今回紹介するのは有限責任監査法人トーマツの草場麻美子氏。前職のアパレル企業では販売とプレスを経験。その後「会計士としてアパレル業界に貢献したい」と監査法人に飛び込んだ。現在はIPO監査の分野でも専門性を高めている。
大学在学中にも公認会計士を目指したことがある。「大学受験を頑張らなかった反省もあり、難関資格に挑戦してみたかった」と草場氏。だが当時はリーマンショック後で就職難。猛勉強の末に会計士試験に合格できたとしても、望んだ就職ができるかわからない時勢だった。
「結局は半年も試験勉強を続けられませんでした。就職先は、日商簿記2級を取得していたからという単純な理由で、上場企業の経理職を選びました」
だが、経理業務には熱中できなかった。また繁忙期以外はゆとりがある職場でもあり、「もっとバリバリ働きたい」という思いが募った。1年半後、上場企業を退職した草場氏が飛び込んだのが、ずっと好きだったというアパレルの世界だ。
「アパレルの2大〝花形〟職種といえば、海外に商品を買い付けに行くバイヤーと、国内でブランドをPRする広報・プレス職。私は英語が得意でなかったこともあり、バイヤーは難しい。最初からプレス職が希望でした」
人気職だけにプレスは狭き門だ。しかもアパレル業界未経験者の草場氏である。結果、ショップ販売員からのスタートとなった。もともと人と話すことに抵抗がなく、接客も苦ではなかったというが、接客〝スキル〟は一から身につけることに。
「特に接客スキルを審査される大会を経験したことで、多くのことが学べました。販売員の仕事のゴールは〝洋服を売る〟ことです。でも、自分が〝売りたい〟服を一方的にお勧めしてもお客さまは買ってくれません。大切なのは、まずお客さまが欲しているものを聞き出すこと。自分が喋るのはその後でいい。このスキルは、接客に限らず、監査を含めてどんな仕事にも生きるものだと思います」
1年ほど販売を経験したのち、希望が叶い、プレス職に異動した。季節ごとのキービジュアルの撮影、スタイリスト向けの服の貸し出しなどで、ハードながら充実した3年半を送った。
「あらためて『私は仕事が好きだ』と実感できましたし、これから結婚したり出産したりすることがあっても、働き続けたいと思うようになりました」
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