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Accountant's magazineとは

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Accountant's magazine vol.64

-アカウンタンツマガジン-
2022年01月01日発行

会計士の肖像

「本当に困っている人を助けようとしている人が困っている。会計のプロとしてそこに目を向け、寄り添い、支援し続けたい」

大光監査法人
会長亀岡 保夫

会計士の肖像

大学生活を送る意味を見いだし、公認会計士試験への挑戦を決意

公認会計士の主な仕事が上場企業の会計監査であることは、言うまでもない。しかし、1999年に亀岡保夫も参加して設立した大光監査法人は、社団・財団法人、社会福祉法人、医療法人、学校法人などの非営利法人の監査、会計、経営支援が業務の多くを占める。唯一無二と言っていいその存在は、あえてニッチ市場を狙ったり、目ざとくブルー・オーシャンに漕ぎ出したり、といった経営上の目算などとは一線を画す。「目の前に困っている人がいるから、力になりたい」という“思い”が結実したものだ。厳しい現実社会にあって、俄かには信じ難くも感じられるその“哲学”を彼が身につけた背景には、何があったのだろうか。

幼い頃から外で仲間と遊ぶのが大好きで、ほとんど家にはいないような子供でした。生まれ育った愛媛県の新居浜市というところは、瀬戸内海もありますけど、家の近くには山が広がっていましたから、そこで日が暮れるまで走り回っていましたね。

中学生になると軟式テニス部で練習漬けとなり、高校では剣道部に入ったのですが、なぜかランニングに目覚めてまた走ってばかりいました。いずれにしても“アウトドア派”で、高校卒業までは机にかじりついて勉強したような記憶はほとんどありません。

新居浜市は、住友財閥の“城下町”でもあります。父は、そのグループ企業で人事・総務の仕事に就いていました。ところが、70年代のオイルショックへの対応で、会社は人員整理をせざるを得なくなり、父がそれを実行する役回りになったのです。“任務”を終えた父は、「自分だけ残るわけにはいかない」と、退職する道を選びました。

両親ともに「他人を思いやる気持ち」において、人後に落ちない人でした。実際、時間があれば他人のためにいろんな活動をしていました。そんな姿を毎日のように目にするうちに、将来は自分も人の役に立つことがしたいという気持ちが芽生えたのは、今から考えれば自然の成り行きだったのでしょう。

74年、亀岡は上京し、創価大学経済学部に入学する。当時、創価大は創立4年目で、まだ卒業生も輩出していない“建設途上”。入学早々「自分に何ができるのだろうか」という不安も頭をよぎっていたのだという。ところが、そんな亀岡が、公認会計士試験へのチャレンジを決め、3年生で初受験合格を果たすのだから、人生はわからない。

大学入学後も、やはり気になっていたのは、決して裕福とはいえないのに、厳しい家計をやりくりして仕送りしてくれる両親のことです。当時、兄と私の二人が上京して大学に通っていました。バイトをして家計を助けたほうがいいのではないか。悶々とした日々を送っていたある日、キャンパスで大学の創立者(池田大作氏)にお会いし、言葉をかけていただいたことが、私にとっての大きな転機になりました。

悩んでいる私に創立者は、「両親の応援に心が痛むかもしれない。その分だけ、がめついほど勉強するのです。偉くなって、社会に役立つことです。それが両親へ応えることにもなる。本当の親孝行です」とおっしゃいました。すぐに手帳にメモをしたので、一字一句、正確に覚えています。

とてもシンプルで、わりやすい内容で、すっと、私の心のなかに入りました。「何のために大学に来たのか」といえば、勉強するため。同じ勉強をするなら、国家資格を目指そう。昔から数学は好きだから、やるからには難関の公認会計士の資格に挑戦だ――。それが、この道を本気で志すきっかけになりました。

今からは想像もつかないでしょうが、当時は電卓もなく、私の勉強は“そろばん”を習うところから始まりました。専門学校に通うわけでもなく、資格を目指す学生のサポートを行う学内の国家試験研究室に所属して、資格を取得した先輩の講義を受ける日々。周囲には、勢いで「3年生で第二次試験(当時)に合格する」と宣言したのですが、それがいかに無謀なことなのかさえわかっていないような状態でした。

もちろん、試験勉強は想像以上に厳しく、何度逃げ出そうと思ったことかわかりません。幸運だったのは、そんな時に私の話を真剣に聞き、「大丈夫、頑張れ」と励ましてくれる友がいたことです。自分のことを思ってくれている人が周りにいるという思いが、このうえないモチベーションとなりました。ちなみに“生涯の友”となったその彼は、卒業後、日本を代表する電機メーカーに就職し、代表取締役副社長まで務めました。

ところで、受験も近づいた頃、勉強していて、どうにも気になる問題がありました。気になるので、先輩に聞くと、「そんな特殊な分野は出題されないから、無視していい」と言われました。でも、そういうところを放っておけないのも私の性分なのです。すると試験当日、問題用紙には、なんとその問題がありました。

幸いにも3年生で合格することができました。合格の一報を聞いた時には感謝の気持ちで一杯になり、母親に報告した時は、本当に嬉しかったですね。

Profile

大光監査法人 会長 亀岡 保夫

大光監査法人会長亀岡 保夫

1955年11月12日
愛媛県新居浜市生まれ
1976年10月
公認会計士第二次試験合格
1978年3月
創価大学経済学部卒業
プライスウォーターハウス
会計事務所
(後の青山監査法人)入所
1982年4月
公認会計士登録
1988年9月
公認会計士
林徳一事務所入所
1999年4月
大光監査法人設立
代表社員就任
2004年7月
大光監査法人
理事長就任
2007年7月
日本公認会計士協会
常務理事
(非営利法人、公会計担当)
2016年7月
外務大臣表彰受賞
2021年7月
大光監査法人 会長就任

その他の現職など
・ トレンドマイクロ株式会社社外監査役
・ 早稲田大学大学院非常勤講師(非営利会計)
・ 日本社会事業大学監事
・ 厚生労働省「独立行政法人評価に関する
・ 有識者会議」構成員
・ ロシアの独立非営利法人「貿易経済交流
・ 発展のための日本センター」監査役

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