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Accountant's magazine vol.4

-アカウンタンツマガジン-
2011年02月01日発行

会計士の肖像

「人に貢献し、感謝される。そういう仕事こそが心を満たし、透徹した喜びを与えてくれる」

GCAサヴィアングループ株式会社
代表取締役CEO渡辺 章博

会計士の肖像

感性を育んだ少年時代。“気づき”や経験を確実に生かす

M&A先進国である米国で、初めて案件を手掛けたのは1985年のこと。以来25年にわたり、渡辺章博はM&Aアドバイザリーの第一人者として走り続けてきた。扱った案件数は優に3000を超え、国内外のM&A市場を牽引してきた人物である。浮沈を経て、功を積みながら行き着いた先は「For Client's Best Interest」。マネーゲームではない、クライアントの最善の利益を追求する本物のM&Aだ。どの資本系列にも属さないGCAサヴィアングループは、そんな渡辺の信念がつくり上げた、ひとつの新しいかたち。今や同社は、独立系上場M&Aファームとして、世界トップ5に入る規模にある。その長である渡辺は、百戦錬磨の強者ながら、インタビュー冒頭から「先生と呼ばなくていいですから」と、実に人懐っこい笑顔を見せる。

幼い頃、僕はずっと九州出身だと思い込んでいたんですよ。八幡製鐵に勤めていた父の仕事の都合で、2歳から小学校2年まで北九州市で育ったので。東京に戻ってから生まれが吉祥寺だと知って、「ええっ?なんか東京出身って特徴なくてカッコ良くないなぁ」と思ったものです(笑)。

父は猛烈な仕事人間で毎晩帰りが遅く、あまり家にいませんでした。それで母も寂しかったのか、キリスト教会の活動に打ち込んでいて、僕は一人で家にいることが多く、本ばかり読んでいました。好きだったのは偉人伝です。ジョン・F・ケネディ、西郷隆盛や野口英世……気に入った本は何度も読み返していましたね。僕はアタマの出来は大したことないんだけど、子供の頃から非常に感度が高くて、それは読書が養ってくれたのかもしれません。

その感度で、何となく父の雰囲気が変わったなぁと思ったのは、八幡製鐵が富士製鐵と合併して新日本製鐵になった時。僕は11歳でした。言うなれば、これがマイ・ファースト・M&A(笑)。直観的に感じたのは“不安定さ”です。当時は「鉄は国家なり」の勢いでしたが、僕は子供心にそれが永遠ではなく、インフラが進めばいずれ鉄の需要は減るとも思っていました。どんなに大きくても、乗っかっている土台が変化すれば、働く人間も左右されるということに不安定さを覚えたのでしょう。マセてますよね。

読書家の渡辺だが、一方でスポーツも大好きで、中学・高校時代に一貫して続けたのは柔道。「太っていたから、走ればいつもビリっけつ。体を生かせるのは柔道」が動機だ。渡辺は「力をつける」という言葉を幾度となく口にするが、聞けば、この柔道部で経験した出来事が原点になっている。

柔道部に入ったものの、中高共にとにかく弱小クラブで。そもそも当時は、格闘技系は人気なかったんですよ。弱いわ汗くさいわで、部員は少ないし、そうなると部費もつきません。高校でキャプテンになり、その悪循環を断ち切ろうと思って考えた策は、女子部員を入れるという“成長戦略”。僕は口八丁だから、「護身術を覚えない?」とか言って勧誘したんです。で、女子4人が入部してくれました。すると男子も活気づいて部員がどんどん増えて、してやったりですよ。ところが、僕はすぐに調子に乗るんで、勢いに任せて寝技まで教えたら、女子は全員退部しちゃった。

ある日、体育館に行くと部員が誰もいないんですよ。普段なら、下級生が練習準備をしているのに、女子がいなくなるとゲンキンな話です。仕方なく、僕は一人で受け身を練習し、黙想したのです。その時、自分の胸に刻みました。うわべより中身が大事だと。真の力がなければ人はついてこないということを。性分的に、人に貢献して「すごいね、よくやったね」と感謝されるのが心地良かったし、多読した偉人伝の影響で、リーダーになりたいという思いもあった。そんな僕にとって、この経験から学んだことは人生の原理原則になりました。今も、経営スタイルの基本はここにあります。プロフェッショナル・ファームの世界では、力を磨き続けないと誰もついてこないし、顧客のために価値創造もできません。

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Profile

GCAサヴィアングループ株式会社 代表取締役CEO 渡辺 章博

GCAサヴィアングループ株式会社代表取締役CEO渡辺 章博

1959年2月18日
東京都武蔵野市生まれ
1980年10月
公認会計士第二次試験合格
1980年10月
平和共同会計事務所入所
1981年3月
中央大学商学部会計学科卒業
1982年5月
Peat Marwickニューヨーク入社
1985年2月
米国公認会計士試験合格
1990年7月
非白人として最年少でパートナー(共同経営責任者)に
1994年7月
KPMGコーポレイトファイナンス株式会社 代表パートナー
2002年4月
グローバルコーポレイトアドバイザリー株式会社創業
2004年4月
GCA株式会社を佐山展生らと創業
2005年9月
一橋大学ロースクール、神戸大学ビジネススクール客員教授
2006年10月
東証マザーズに上場
2007年4月
中央大学ビジネススクール客員教授
2008年3月
GCAサヴィアングループ株式会社 代表取締役
2008年10月
インド最大の製薬会社のランバクシー社 取締役

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