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「東急連結グループの多様なビジネスに伴走しながら、最適な経理体制を実現する」
東急ファイナンスアンドアカウンティング株式会社
経理・財務最前線
NTTコミュニケーションズ株式会社財務部
国際通信をはじめ、クラウド、セキュリティ、プロバイダ事業(OCN)などを展開する同社の財務部は、社員78名の大所帯だ。「かつては組織ごとに設置していた経理・財務機能を、効率化などを目的に一本化した」(中村徹太郎財務部長)結果で、部内には会計税務と資金管理の両部門がある。このうち会計税務部門には、「税務」「決算」(連結、単体)、「資産管理」、営業部門などをフォローする「セールス・サービス」、設備保守の部門などをカバーする「オペレーション・スタッフ」、監査などに携わる「総括・監査」の各担当がある。また資金管理部門には、「資金管理」、M&Aに際して審査などを行う「ファイナンス」担当が置かれている。
「他社との一番大きな違いは、当社が設備産業であること。例えば米国やアジア各国まで海底ケーブルを敷いて、その先にデータセンターを構築し、時間をかけて投資回収するという点です」と中村氏は言う。
「グローバル展開する通信・クラウド事業者」というのも、同社の特徴だ。
「普通の製品と違って、通信には目に見えるかたちがないので、外部の方に事業を理解してもらうのは簡単ではない。移転価格税制に関して、日本と海外の税務当局と話し合いを進め、会社側の考え方について各国税務当局の合意を得るまでに、3年ほどかかった案件もありました」
ところで、取材に訪れた東京・汐留のオフィスには、中村氏が「コンビニエンスストア」に例える、「セールス・サービス担当」のみが在籍する。
「彼らは、営業部門と密接に連携し一次的にサポートする窓口の役割。ここでスピーディに相談を受け付け、課題解決を図ります。より専門的に検討すべき案件については、日比谷ビルにいる国際税務や日米の会計基準に詳しいスペシャリストと連携し、時間をかけてサポートします。現場をコンビニと専門店の両方でサポートするのが、ウチのやり方なんですよ」
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財務部長中村 徹太郎
なかむら・てつたろう/1986年3月、一橋大学商学部卒業後、日本電信電話株式会社入社。本社経理部を経て、戦略的国際子会社立ち上げに参画。99年、NTTコミュニケーションズ経営企画部へ。04年に代理店営業、07年に財務部へ異動。11年9月に財務部長に就任した。