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「東急連結グループの多様なビジネスに伴走しながら、最適な経理体制を実現する」
東急ファイナンスアンドアカウンティング株式会社
経理・財務最前線
株式会社スタート トゥデイ財務経理部
取り扱いアイテム数30万点、会員数600万人を超える日本最大級のファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営する同社。2014年には、世界中のコーディネートを探せるスマホアプリ「WEAR」をリリースし、こちらも順調にユーザー数を増やしている。
07年、東証マザーズに上場し、12年には、東証一部上場を果たした成長企業の屋台骨を、数字の面で支えているのが、財務経理部と経営推進部だ。財務経理部は、財務会計、税務会計、開示などを、また経営推進部は、管理会計、IR、予算管理などを主に担う。カジュアルウェアに身を包んで働くメンバーの姿は、世間一般の“経理部員”のイメージとは異なる。
「みんなファッションが好きな仲間です。この事業にすごく興味があるし、自社サービスも利用しています」と、両部のマネジメントを司る、財務経理部ディレクターの中嶋丈裕氏は言う。
現在の陣容は、財務経理部が8名、経営推進部が7名。それぞれの部に監査法人出身の公認会計士が1名ずつ在籍している。メンバー全員が正社員で、服を扱う同社の別部署を経験して異動してきた人材も多い。
「会計のプロと現場を経験したメンバーが、お互いの知識を交換し合いながら育ってきた部署ですね。数字を生み出す現場の働きを経験すると、事業が新たな動きを始める際、『もっとコストを抑えることができないか』『もっとオペレーションを効率化できないか』など、商流や金流、物流を具体的にイメージしながら考えられるようになります。ちなみに、私自身もマザーズ上場前に商品管理のアルバイトとして入社しています」
財務経理部の日々の仕事を評して、「基本的には、小さなことをできるだけ丁寧に、一つずつ」と語る中嶋氏。
「ルーティン業務をしっかりこなしながら、もっと経営に貢献できることはないかと日々ネタを探していますが、実際にやっているのは泥臭いことが多いです。不要な販管費を削る提案をしたり、消耗品の値段交渉をしてみたり。『お母さんみたいな存在だな』という話をメンバーにしたことがあります。うるさく小言をいうけれど、いつの日かきっと感謝される、みたいな(笑)。縁の下で事業をしっかり支えながら、多少でも当社の利益創出に貢献できればと思っています」
経営推進部で管理会計を担当する常井康寛氏に聞いた。
「上場している以上、正確な決算短信や有価証券報告書を出すのは当然ですが、経営への発信力も意識しています。数字を未来のためにいかに役立ててもらうか、ということですね。そのためには、数字をうまく使えるよう整理しておく必要がある。ただ私たちのほうで数字を分析したいといっても、もとのデータがなければできない。そこは財務経理部と連携して、欲しいデータがスピーディに把握できるよう工夫してもらっています。私は監査法人出身で、過去に多くのクライアントの会計業務を見てきましたが、当社はかなり細かくやれていると思います」
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ディレクター中嶋 丈裕
なかじま・たけひろ/2002年、千葉大学法経学部経済学科卒業後、長野県の農家で3年間働く。06年3月、スタートトゥデイに倉庫業務のアルバイトとして入社。同年9月、希望していた財務経理部に配属される。2011年4月、同部ディレクターに就任した。