事務所探訪
BSP税理士法人 BSPファミリーオフィス株式会社
BSPグループを設立した辻貴慈氏、矢澤昌史氏は元バンカー。メガバンク、外資系プライベートバンクでキャリアを積み、「企業をバックアップすることで日本を元気にしたい」という思いから2016年に共同創業。BSP税理士法人の代表も務める矢澤氏は、富裕層のアドバイザリーを手がけるなか、「事業承継にはファミリーオフィスが有効なソリューションになる」と考え、参画に踏み切った。
「欧米ではファミリーオフィスが社会システムとして根づいています。これは企業創業者、その一族の資産運用をパートナーとして支えていくもの。日本では“番頭”が近い存在でしょうか。しかし、日本には本格的なファミリーオフィスがなかった。事業承継の多くのケースはオーナーの後継者育成のみに主眼が置かれ、参謀として支えていく番頭の育成、承継に目を向けられることはなかったのです」
グループ名のBSP(ビジネス・ストラテジック・パートナーズ)は「クライアントのビジネスを戦略的に支えていく」理念に由来するが、番頭・参謀・プロフェッショナルとして立つというポジショニングも示している。創業支援、ビジネスマッチング、そして資産活用・運用、事業や資産の承継など、上場企業オーナーやベンチャー企業の創業者が事業に専念するための支援基盤。それがBSPの「ファミリーオフィス」である。
税理士や公認会計士を中心に、グループ内の弁護士、社会保険労務士らと提携してサービスを提供する「士業部門」。多忙なオーナー、起業家を強固に支える「コンシェルジュ部門」。資金調達や資産管理、運用をアドバイスする「金融部門」。3部門を主軸にサービスを届ける。
「私たちが考えているのは、クライアントのライフステージに合わせたロングレンジの支援です。創業期にはCFO人材を派遣するなど、経理・財務をフルサポート。成長期には資金調達やM&A、IPOコンサルティングでフォロー。上場後はオーナーの資産形成、相続対策までカバー。3部門を擁することで、ほかにはできないきめ細かなサービスを提供できるのです」
矢澤氏が先導するなか、メガバンクや外資系金融機関からメンバーが参画。プロフェッショナルなオフィスサービスで優位性を発揮しており、金融部門で確立したビジネスモデルで財務体制も強固に。設立5年にして、日本版ファミリーオフィスの優位性を発揮。上場企業オーナーやベンチャー企業の創業者に支持され、金融機関からの提携オファーが引きも切らない。
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BSP税理士法人 BSPファミリーオフィス株式会社代表社員/税理士 矢澤 昌史
早稲田大学大学院商学研究科修了。東京三菱銀行(現三菱UFJ銀行)に入行後、事業・財産承継を専門とする部署でコンサルティングに従事。UBS銀行、UBS証券を経て、2016年にBSPグループを創業し、BSP税理士法人の代表に就任。事業家、起業家を支える基盤として日本版ファミリーオフィスを提唱している。
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