The CFO –ニッポンの最高財務責任者たち-
株式会社ローカルワークス
取締役CFO リフォマ事業部長塩津 友輝
塩津友輝氏は、昨年9月、建設業界の情報提供サービスなどを手がけるローカルワークスにCFOとして迎えられた。20歳の時、公認会計士試験に当時最年少で合格し、監査法人時代には監査のほかにコンサルの経験も持つ。そんな彼が取材中たびたび口にしたのは、「大事なのはチームで頑張ること」「一体感こそすべて」といった、ちょっと“昭和的”な言葉である。その組織論の実践は、一般的なCFOの守備範囲を超えるものでもあった。
会計士試験へのチャレンジを決めたのは、大学進学を控えた時期だった。 「中等部(湘南藤沢)から慶應でエスカレーター式に進学でしたから、大学に行ったら何か勉強しないとまずい、と思っていたんですよ。当時の僕にとって会計士は、コンサルに近いポジションで人を動かしていく仕事、みたいなイメージ。その頃から“個”ではなく、仲間をつくってワークしていくことに価値を感じていたので、そのために箔をつけるのもいいかな、と」
資格取得の勉強をしつつ単位も取れると踏んで商学部に進み、すぐに予備校とダブルスクールの生活を開始。
「ラッキーだったのは、予備校で優秀かつ向学心の高い7人の仲間たちと出会ったことです。僕は決して能力が高いわけではないし、怠け者でもありました(笑)。遊びたい盛りだから、戦線離脱することもしばしば。そんな時に『それじゃダメだ』と本気で諭してくれる同志の存在が本当に大きかった。2005年、大学3年で合格できたのは、『一緒に受かりたい』と思わせてくれる彼らのおかげなんですよ」
ちなみに、仲間全員が同時合格を果たし、現在、大手総合商社のM&A担当、コンサルティングファームのファイナンシャルアドバイザー、大手企業の経理部長、自らコンサル会社を設立など、様々なポジションで活躍しているそうだ。
「ベンチャーに進んだのは、僕一人。今でも、『あいつらには負けられない』と意識し合う間柄です」
さて、首尾よく掲げた目標を達成した塩津氏は、大学卒業と同時に監査法人トーマツ(当時)に入所し、まずは国内企業の監査業務に従事する。
「監査を通じて、見えている数字を分解して背景にあるものを探るスキルを身につけられたのは、大きかった。それと、人を説得するためにはどんな話をしたらいいのか、そもそも誰を説得すべきなのか、といったビジネスの基礎を学んだのも、この時期です」
とはいえ、仲間をつくってワークしていく仕事に魅力を感じていた身からすると、物足りなさを覚える日々だったのも事実だ。なんとなく不完全燃焼の自分に悶々としていた塩津氏に、コンサルティング部門への異動の話が舞い込んだのも、一つの幸運だった。
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株式会社ローカルワークス取締役CFO リフォマ事業部長塩津 友輝