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「東急連結グループの多様なビジネスに伴走しながら、最適な経理体制を実現する」
東急ファイナンスアンドアカウンティング株式会社
経理・財務最前線
株式会社ラクス経理財務部
中小企業向けのクラウドサービスを提供している株式会社ラクス。メール共有・管理ツールで7年連続売上シェア・ナンバーワンの「メールディーラー」や、経理向け製品である交通費・経費精算システムの「楽楽精算」、Web帳票発行システムの「楽楽明細」などのシステムをクラウドで安価に提供しており、企業の業務効率化に貢献している。
特に「楽楽精算」はクラウド型経費精算システムにおいて累計導入社数が1800社を超え好調に推移し、同社の高成長を牽引している。同社のクラウド事業の特徴は、継続利用率が高い複数のサービスを開発・育成し、サービスをポートフォリオ管理することで安定的な高成長を実現していることである。
現在、経理財務部部長を務める八幡恭輔氏が入社したのは、同社が上場に向け組織強化に動いていた2009年1月のこと。前職である上場企業の本社経理経験を買われた。
経理財務部のメンバーは8名と少数精鋭で、ほぼ全員が中途採用だ。請求書処理を行う支払チーム、販売・債権管理チームなどの2~3名のユニットで日次・月次のルーティン業務に従事し、定期的にローテーションを行う。
また年次(四半期)決算や税務申告、開示業務も各チームのメンバーが関連する領域をそれぞれ担当する体制となっており、全体工程を俯瞰しながら業務に取り組めるよう配慮している。八幡氏はこのような体制構築を進めるだけでなく、製品開発にも積極的に参画している。入社直後に、リリース直前の「楽楽精算」を経理財務部に導入、「経理担当者を楽にする」という視点で、顧客を意識したアドバイスを行い、製品開発にも貢献している。
「楽楽精算」は、社員が分散入力した経費精算等のデータを会計システムやネットバンキングに流用し、経理担当者をデータ集計や検算などの業務から解放するシステムで、業務効率化への貢献度は高い。
「社員数が150人程度だった時期に先行導入したおかげで、会社が成長するにつれて増えていく経費精算にも難なく対応できました」と八幡氏。
経理財務部という立場からの製品開発支援はその後も続いている。14年にリリースされた「楽楽明細」にもかかわった。この時も経理財務部がシステムを先行導入、「請求書を発行して郵送する」という作業をWeb化した。これらの自社製品やそのほか複数のシステム導入を経て、同社の経理財務部におけるルーティン業務の大半は省力化されている。
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部長八幡 恭輔
やはた・きょうすけ/1997年、大阪大学経済学部卒業。五洋建設株式会社に入社し、本社財務部・経理部に配属される。その後、2009年1月に株式会社ラクス入社。上場に向けて経理財務部の体制づくりに注力する一方で、「楽楽精算」「楽楽明細」といった同社の経理向け製品の製品開発にも携わる。