事務所探訪
ロングブラックパートナーズ株式会社
プロジェクトサポートオフィス
大手外資系アドバイザリー出身者により、2008年に創業されたロングブラックパートナーズ株式会社。その社名は、クライアントの長期的な黒字にコミットするパートナーでありたいとの理念に由来する。事業の柱は、中小企業への事業再生アドバイザリーのほか、成長支援コンサルティング、事業承継コンサルティング、M&Aアドバイザリー、ファンド事業の5つ。
同社の特徴として、創業以来、コア事業である事業再生アドバイザリーにおいて“クライアント現場常駐”を貫いていることが挙げられる。全国各地の中小企業の現場に赴き、ハンズオンで支援することで、クライアントが置かれている状況を正確に把握。また顧客との信頼関係を築きながら、着実な事業再生を目指していく。
中堅・中小企業に特化した独立系財務アドバイザリーファームとしての評価を確立しつつ、組織規模を拡大してきたが、さらなる成長を遂げるために一つの課題があった。中小企業は、大手企業と比較し各種の経営資料が整理されていないケースがしばしば見受けられる。「それが案件の長期化を招いていました」と語るのは、2021年4月に誕生した同社プロジェクトサポートオフィス(Project Support Office=PSO)のリーダーを務める、城戸聡氏。
「プロジェクトが開始してから資料を整え、分析し、詳細な現状分析や再生計画の方向性検討に取り組むまでの作業に数週間かかってしまうのです。フロントに立つ当社のコンサルタントがこの初動準備に膨大な工数をかけるのは非効率。私もコンサルタントとして事業再生にかかわっていた当時、この準備に時間を要し、苦労していました。また、新規クライアントにおいて、様々な数字が何を意味するかを正確に把握するには、やはり時間がかかる。より早く、より付加価値の高い現場での分析・仮説検証業務に取り組み、少しでもクライアントの着実な再生に寄与するためにも、ひいては当社の成長を加速させるためにも、解決するべき課題だと感じていたんです」
その作業を専門的に担うチームが必要ではないか。その旨を会議で発言したところ、後日、経営陣からチーム立ち上げを告げられた。責任者を任されたのが発言者である城戸氏だった。
PSOの役割は主に案件開始時における、クライアントの初期的分析。クライアントの内部環境・外部環境を深掘りし、作業の方向性の初期的な仮説をまとめる。また、クライアントから集めたデータを整理し、必要に応じて財務モデリングを行いフロントとなるチームに引き継ぐまでがPSOの仕事になる。
「我々が入ることで、フロントチームは最初から、クライアントインタビューや金融調整をはじめとする、事業再生のための中核的な業務に時間を費やせるというわけです。これまでに終了した案件について社内からのフィードバックを見る限りは、期待したとおりの働きができていると思っています」
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ロングブラックパートナーズ株式会社プロジェクトサポートオフィスマネジャー PSOリーダー 城戸 聡
2007年、学習院大学経済学部卒業。税理士法人にて、税務顧問業務から財務・事業デューディリジェンス、事業計画策定業務などの業務に幅広く関与。その後、オリックス生命保険株式会社経理部勤務を経て、15年、ロングブラックパートナーズ株式会社入社。21年4月より現職。