会計業界の起業人
BDO税理士法人
統括代表社員長峰 伸之
ヨーロッパ・ベルギーに本拠を持ち、世界110カ国に展開するBDOインターナショナルのメンバー・ファームが、BDO税理士法人だ。2002年10月、長峰氏は同法人設立にともない、総括代表社員に就任。各国のBDOメンバー・ファームと連携するなどして、ワールドワイドでハイレベルな税務およびアドバイザリーサービスを実現させている。
「国際税務、移転価格コンサルティングを中心に、成長を続ける中堅企業の海外への進出・海外取引業務をサポートしています。私たちの強みは、複雑化する国際税務の諸問題に的確かつ迅速に対応し、クロスボーダーで力を発揮できること。設立当初9人だった所員も、今では50人を超えました」
所内には英語、中国語、ベトナム語を母国語とする外国人スタッフも在籍し、国際色豊か。長峰氏自身も頻繁にヨーロッパ、アメリカ、アジア諸国へプロジェクトや会議、調査に出かけるなど、アグレッシブに仕事をこなす。そんな長峰氏は、学生時代からユニークなキャリアを歩んできた。
「資格取得を決めたのは、高校生の時。漠然とですが、将来は企業の事業活動や発展に貢献できるプロフェッショナルとして活躍したいと思っていましたからね。中央大学商学部に入って、すぐに公認会計士の受験勉強を始めたのは、当然の成り行きでした」
だが、大学3年で第二次試験に合格した時のこと。それを聞いた恩師の助言が、長峰氏の人生を変えた。
「『人より早く合格した分、回り道するくらいの余裕を持て』と、大学院に行くことを勧められたのです。まぁ、もともと人と同じ道を歩くのが嫌いな性格ですからね。それもいいかな、と」
大学院では会計学や商法はもちろん、経営や経済についても、より専門的で広範な知識を習得。充実した2年間を送ったという。
「ところが、いざ就職となって気付いたのです。同期の受験仲間は、すでに監査法人や企業で活躍している頃だと。それで、彼らとは違う道に進んで、新しい可能性を探ってみようと、ピートマーウィック(現KPMG)のニューヨーク事務所に就職しました」
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BDO税理士法人統括代表社員長峰 伸之