事務所探訪
TSAコンサルティング株式会社/TSA税理士法人
TSAコンサルティング株式会社は、大阪に本社を構える独立系コンサルティングファームである。クライアントの9割は大阪の中堅・中小企業、案件獲得方法はほぼ紹介ということからもわかるように、地元企業からの信頼は厚い。
設立は2013年。当初は事業再生やM&Aなど喫緊の経営課題を抱えるクライアントに対しスポットで関与する案件が中心だった。だが「案件終了後も継続的にかかわってほしい」「一つのテーマに限らず、毎月相談させてほしい。役員会に参加してほしい」といった声が増え、これに応えるかたちで税務顧問サービスをスタート。サービス名こそ税務顧問だが、業務は税務に限らない。企業に寄り添うかたちであらゆる経営課題に対応するコンサルティングサービスが実質だ。税務顧問として日々かかわりながら情報を収集、経営課題が顕在化した瞬間に、大きく動く。
同社代表の柴田年和氏は次のように語る。
「私たちが目指しているのは、お客さまに寄り添いながらサポートし、いずれは『役員になってほしい』と言っていただけるような、距離の近い存在です。手がける案件そのものは、今も事業再生やM&Aなど大きなテーマも多いのですが、それは私たちが提供するサービスの“入り口”に過ぎません。むしろ、『お客さまに寄り添う』『役員を目指す』といった“スタンス”で評価をいただける会社になりたいと願っています」
こうした同社のスタンスは、「クライアント企業の成長、拡大のために必要とされている実感」を望むからでもある。それは柴田氏がかつて勤務していた大手監査法人では得られなかったものだ。
「公認会計士や税理士は、経営者の役に立ちたい、感謝されたいという思いを持った人間が多い。私自身もその一人です。会計士は企業を裏で支えている、かっこいいプロなんだと思い、会計士を目指しました。ところが監査法人で働き始めると少なからずイメージとのギャップがありました。監査というサービスは絶対に必要だが、会計士としての自分はこれがやりたかったのか、と。また上場企業など大きな組織が相手ではかかわり方がどうしても限定的になり、自分の仕事の手応えをうまく感じられませんでした。その点、当社では基本的に顧問契約を結ぶ企業を年商50億〜100億円程度のオーナー企業に限定しているため、経営者とダイレクトにやりとりできます。これなら、組織の意思決定にかかわれますし、自分はお客さまの役に立っているという実感も得られやすいですから」
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TSAコンサルティング株式会社/TSA税理士法人代表取締役 公認会計士 柴田 年和
2005年、大阪市立大学経済学部卒業。06年、公認会計士試験合格後、あずさ監査法人(現有限責任あずさ監査法人)入所。10年、公認会計士登録。同年、みらいコンサルティング株式会社入社。13年、TSAコンサルティング株式会社を設立し、代表取締役に就任。
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