- vol.74
-
「「第2の創業」がスタート!グローバル事業のさらなる伸長を数字で支える要石に」
日立建機株式会社
財務本部
経理・財務最前線
株式会社サカタのタネ 経理部
花と野菜種子で世界上位の売上規模を誇るサカタのタネ。1913年の創業から今年で110周年、昨年度の決算では初めて営業利益100億円に到達するなど、今も躍進が続く。好業績を支えるのが海外の卸販売だ。戦前から意欲的に海外拠点を設置しており、170カ国以上でビジネスを展開。売り上げの海外比率は70%を超えている。
同社経理部もグローバルカンパニーならではの数字に向き合っており、海外市場を視野に入れた経理業務を日々推進している。経理部長の星武徳氏は「当社の商品を世界に届ける事業部と同様、経理部の業務も世界に通じているのです」と語る。
「決算は本社単体と国内子会社を合わせつつ、グループの連結ベースでまとめています。35社ある子会社のうち、海外に拠点を置くのが27社。海外子会社の会計を見るうえでは、準拠する海外の会計基準を踏まえなければなりませんし、ハイパーインフレ下にある子会社もあり、会計処理も複雑さが増す一方です。経理部のメンバーも海外の主要拠点と頻繁にミーティングを重ね、密な情報共有、コミュニケーションを行っています」
海外子会社に出向する人材もおり、経理部にはグローバルの経理を経験した人材の知見が着実に集積されているという。
「上場企業として決算を取りまとめる本社と、非上場の海外子会社では投資家の対応、決算の組み立てという点で異なり、子会社の経理部がギャップを感じることも。ゆえに出向人材には本社と海外の橋渡しという重要な役割があります。グローバルな会計知識と語学力、コミュニケーション力も磨かれますね」
世界情勢は依然として先行きが不透明であり、“VUCA”な時代が到来している。グローバルカンパニーとして立つサカタのタネも、奔流のなかにあって自走・自律する人材を強化してきた。無論、経理部門も無縁ではいられない。管理本部の副部長も兼任する星氏は、求められる経理人材像の変化を如実に感じているという。
この記事の続きを閲覧するには、ご登録 [無料] が必要です。
執行役員 管理本部 副本部長星 武徳
1988年、横浜国立大学経済学部卒業後、現株式会社みずほフィナンシャルグループ入社。2012年、みずほコーポレート銀行グローバルストラクチャリング部 部長。13年、同シンジケーション部部長。16年、株式会社サカタのタネ入社(経理部次長)。17年、経理部部長。19年、執行役員経理部部長。21年より現職。