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「東急連結グループの多様なビジネスに伴走しながら、最適な経理体制を実現する」
東急ファイナンスアンドアカウンティング株式会社
経理・財務最前線
凸版印刷株式会社財務本部経理部
同社は1世紀を超える伝統に培われた「印刷テクノロジー」を駆使した様々なソリューションを提案、また印刷を核に幅広い領域で事業を展開している。
久保薗到財務本部経理部部長は、「新聞、雑誌といった紙媒体が徐々にデジタルに移行し、チラシやカタログもネット通販へと、印刷業界をめぐる環境も大きく変化しています。当社も例えばWeb制作とか、キャンペーンの際にパンフだけでなくコールセンター業務を請け負うとか、周辺のビジネスをトータルに受注することが多くなりました。いきおい経理の仕事も昔のように『製品が刷り上がり、発送したから請求します』という単純なものでなくなってきたのは事実ですね」と話す。
財務本部には、同社単体決算や税務などを担当する経理部、189社(2013年9月末)の連結決算をまとめる連結経理部、それに資金調達・運用を担う資金部があり、メンバーは約30名。加えて、情報コミュニケーション(出版印刷や商業印刷など)、生活環境(パッケージ)、マテリアルソリューション(エレクトロニクス関連、高機能部材)の3事業本部及び地域ごとに設けられた事業本部にも、財務本部が統括する経理部門がそれぞれ置かれており、これらを含めると総勢二百数十名の陣容になる。
事業部単位で経理機能を持つことの意味を、久保薗部長は「当社は幅広い業界で多数のお客さまと取り引きしています。業界、業種も様々で、同じ会社でも宣伝部あり購買部あり。それぞれに取引のルールがあって、例えば請求書の書式一つとっても違ったりするわけです。そこに迅速にきちんと対応するためには、現場を知る経理が必要なのです」と説明する。
「ただ、事業密着だからといって、業務上の“ローカル・ルール”みたいなものが定着するのは問題。そこで財務本部に会計プロジェクトをつくり、一定の基準に基づいたシステム化を図る取り組みを進めています」
同本部にはこのほか、原価低減を推進する原価計算プロジェクト、IFRSプロジェクト、J_SOXプロジェクトが置かれ、それぞれ専任の担当者が課題に取り組んでいる。
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部長久保薗 到
くぼぞの・いたる/1987年3月、早稲田大学商学部を卒業し、事業会社の営業職として勤務。91年、前勤務先から凸版印刷株式会社へ転職。生活環境事業部で5年、Eビジネス事業部で10年、経理スタッフとして従事。その後、財務本部経理部に移り、3年間、J-SOX対応の業務に取り組む。2012年、同部部長に就任した。