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Accountant's magazine vol.25

-アカウンタンツマガジン-
2014年08月01日発行

会計士の肖像

「会計士の存在意義とは何か?そこを徹底的に考えること。自分なりの貢献の仕方は、"原点"から見えてくる」

あらた監査法人
代表執行役木村 浩一郎

会計士の肖像

名門ゼミ教授の“制止”を振り切って、公認会計士の道へ

トップにリーダーシップが要求されるのは、言うまでもない。“世界Big4”の一つ、PwCのメンバーファームである、あらた監査法人の代表執行役(CEO)を2012年から務める木村浩一郎は、かつて“未知の100人”を束ね、畑違いのシステム監査部門を再構築し――といった経験を通じてその手腕を磨き、開花させた。ただ「自分で手を挙げるわけではないけれど、何となく“その役”に選ばれている」という、これまた上に立つ人間としての資質の片鱗は、すでに小学生の頃に垣間見えていた。

石油会社に勤める父親は、絵に描いたような転勤族で、博多で生まれた私は3歳で兵庫の芦屋に引っ越し、さらに小6の直前の時期には横浜へ、という子供時代を過ごしました。ところが転校間もない横浜の小学校で、いきなり生徒会長に選ばれました。どうしてなのか、今もって謎。勉強はそこそこできたし、真面目だし……でも芦屋時代には、女の子にやり込められるような、基本的に「泣き虫少年」だったんです(笑)。

中学、高校は鎌倉市にある栄光学園というミッションスクールに通いました。とても大きな経験だったと思い出すのが、中学3年の時、「高松宮杯全日本中学校英語弁論大会」に出場したこと。県の大会で優勝し、全国大会の決勝まで行きました。終了後、帝国ホテルで行われたレセプションには、全国からの出場者とその先生、親など600名ほどが招かれ、皇族もお見えになりました。そこは15歳の少年が知る由のない、煌びやかな世界です。

その大会もレセプションも、日本学生協会(JNSA)という団体の大学生たちが運営していました。揃いの制服に身を包んで現場できびきび働いている彼らは、とにかくかっこいい。大会の感動とともに、その姿がしっかり瞼に焼き付けられました。

英語は得意でしたが、一番好きなのは数学だったので、大学は当然理系に進むつもりでいました。ところが、高2の終わりにあった適性テストで、「理・文の真ん中」という判断結果が出てしまった。ちょうど物理がややこしくなっていたところだったので、これも神様の思し召しか、と文系への転向を決めたのです。

ちなみにもし理系のままだったなら、気象庁で予報士を目指していたはず。ある時、けがをした友人をお見舞いに行ったら、彼が病室のラジオで気象通報を聞きながら天気図を描いているんです。これまたかっこよくて、すぐに“気象”にはまってしまった。たぶん私は影響されやすい性質なのでしょう(笑)。

結局「文系でも数学的な発想が役に立ちそう」な経済に進路を定め、早稲田大学政治経済学部に現役合格を果たす。入学と同時に入ったのがESS(英語会)で、1年生にして部員が演じるミュージカル『ウエストサイド・ストーリー』の主人公、トニー役を射止めた。語学力はもちろん、ルックスや身のこなしも問われる役柄である。

選ばれた経緯を自分で言うのは、かなり憚られますので、ご勘弁を(笑)。まったくの余談ながら、2年ほど前、家族で“本物”を観に行ったんです。単純に30年前を思い出したからというわけではないのですが、なぜか涙が止めどなく溢れてきました。後で家族に冷やかされましたけど(笑)。

学生時代、ESSに本気で入れ込んでいたのは1年生の時くらいで、徐々に中学の時に感動したあのJNSAの活動が主体になっていました。3年生になると協会の幹部を務め、結構忙しい日々を送りました。

その年の秋にJNSAを“卒業”すると、いよいよ就職準備です。私が会計士試験の勉強を本格的に始めたのは、このタイミングでした。

会計士を志した“これ”という強い理由は、実はないんです。ただ、経済学の勉強をするうちに気づいたことがありました。もともと「数学的なアプローチで世の中の仕組みが明らかにできる」というのが、経済を志した動機。ところが実際には、この世は計算どおりに動いてなどいない、理屈だけではなく“実業”が大きなウエートを占めている現実が、だんだん見えてきた。会計は実業そのものを相手にします。そう考えると、たまたま知った会計士という仕事に、何かしら惹かれるものを感じるようになったのです。

最後に背中を押したのは、自分の腕に技をつけて生きたい、という気持ちでしょうか。例えば、私の父親は、“会社都合”で各地を転々とし、途中からは単身赴任でした。正直、それはないだろうと感じました。しっかりした資格があれば、それをベースに自分の人生が組み立てられるはず。そういう思いが強くあったのは確かです。

とにもかくにも「やろう!」と決断し、ゼミの先生に伝えに行った日のことは忘れられません。単なる報告のつもりで話した私を、教授は「やめておきなさい」と強く止めるのです。

当時所属していたゼミは、政経学部でも「3大ゼミ」と称されていて、就職実績は抜群。「なぜわざわざそんなリスキーな道を選ぶのだ」ということは、言われなくてもわかりました。でも普通に就職して、後悔するのだけは嫌で、決意は揺らぎませんでした。先生ですか?許してはくれませんでしたが、合格時には喜んでいただきました。

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Profile

あらた監査法人 代表執行役 木村 浩一郎

あらた監査法人代表執行役木村 浩一郎

1963年5月4日
福岡県福岡市博多区生まれ
1986年10月
公認会計士第二次試験合格、
青山監査法人入所
1987年3月
早稲田大学
政治経済学部経済学科卒業
1990年3月
公認会計士登録
1993年9月
プライスウオーターハウス
シカゴ事務所に出向
1997年7月
青山監査法人 社員就任
2000年7月
中央青山監査法人
代表社員就任
2006年9月
あらた監査法人
システム・プロセス・アシュアランス部 部長就任
2009年6月
あらた監査法人
執行役(アシュアランス担当)就任
PwC Global Assurance Leadership Team メンバー
2012年6月
あらた監査法人 代表執行役就任

[主な役職など]
財務会計基準機構評議員、経済同友会幹事、日本取締役協会幹事、会計教育研修機構理事など多数

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