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Accountant's magazineとは

最新号

Accountant's magazine vol.47

-アカウンタンツマガジン-
2018年04月01日発行

会計士の肖像

「会計士としての素養に加え、国際感覚での倫理観や物事をグローバルに考える力が真に問われる時代にある」

公認会計士加藤厚事務所
加藤 厚

会計士の肖像

「専門家になりたい」。早くから目指していた独立独歩の道

加藤厚のプロフェッション人生は、会計・監査業界の国際化と軌を一にする。28歳の時に、当時の国際会計事務所ネットワークであるビッグ8の一つ、クーパース・アンド・ライブランド(現PwC)東京事務所で監査人としてのキャリアをスタートさせて以来、国際畑一筋。時には、国際・国内における監査法人の統廃合という荒波にもまれながら、日本の監査業界がグローバル化に向けて激動した時代を生き抜いてきた。監査の〝現場仕事〞を長く続ける一方、「会計」「監査」「倫理」という3分野で新しい内外の基準策定にも広くかかわり、民・官を両輪とする活動を通じた業界への貢献は極めて大きい。文字どおり「国際舞台で活躍する公認会計士」を体現した加藤の言葉は、リアルで示唆に富んでいる。

生まれは東京ですが、戦時中で、すぐに両親の故郷・新潟の新発田市に疎開したんですよ。なので私にとっての故郷は新潟です。冬は雪遊びをし、好きだったのは機械いじり。自転車の故障を直したり、トランジスタラジオを組み立てたりするのが面白くて、幼い頃は漠然と「自転車屋さんになりたい」と思っていた記憶があります。

それが物心がつくと、商業系に関心が向いて、何かの専門家になろう、つまり〝手に職を持つべき〞と考えるようになりました。結果、新潟を一人出て愛知県立の愛知商業高校に進学。なぜなのか……「どこか違うところ、遠いところに行ってみたい」という好奇心だったんでしょうね。うちの系譜をたどると、新潟からハワイに開拓移民した親戚がけっこういまして。父も親戚を頼ってハワイに行き、貿易関係の仕事をしていた時期があるので、〝飛び出す〞感覚はDNAなのか、もともと独立心が強かったのかもしれません。

高校では2人の個性的な担任に巡り会いました。一人は水野連平先生。ざっくばらんな人柄で、堅苦しくなりがちな簿記を実に面白く教えてくださった。私がこの業界に踏み出すきっかけを与えてくれた恩師です。そしてもう一人が、加藤裕伸先生。父上が住職というだけあって厳しかったですが、人生どう生きるかをいろんな場面で諭してくれた。例えば、私が生徒会長をやっていた時期、運営で悩んでいると、「そんなに悩むな、もっと気楽にやれ」とかね。多感な時期に面白くて個性的な先生に恵まれたことは幸運で、その影響は何かと支えになったものです。

高校生の頃から「専門家として身を立てる」と考えていた加藤の頭には、漠然とながらも税理士、会計士の存在があった。それが簿記の面白さを知ったことでより強くなり、次にとった進路は中央大学商学部。当時、最も多く会計士を輩出していた〝実学の中大〞を選んだのは自然な流れだった。

大学のゼミでも宗教と縁のある先生に出会うんですよ。監査論の中西旭先生は神道家としても高名で、ゼミ合宿をするのは神社や神道に関係する場所。すると先生の顔で、普段、一般開放されていない神殿の奥まで入らせてもらったり、時には神聖な山に分け入って険しい崖を登ったり。例えば戸隠神社へ行く途中にある「蟻の戸渡り」では崖登りの精神修養のようなことも。数々貴重な体験をしました。中西先生は「物事に絶対的な真実はない」とよくおっしゃっていましたが、監査論も同様で「会計や監査にも絶対的な真実はない」と。これは、神道的精神論だけでなく、ある意味学術的にも真理。私は大学でもいい教えを受けました。

大学4年の時に税理士試験に合格し、卒業と同時に事務所を開業しました。早く自立したかったから、就職という選択肢はなし、迷いはまったくなかったですね。独立とはいっても、当時住んでいた千葉県松戸市の自宅で始めて、女房にも手伝ってもらいながら細々と。親戚や友達から紹介してもらった個人事業主、地域商店、中小企業といったお客さまに、記帳代行や税務相談、決算書作成などの税務サービスを提供していました。

しかし、中小・零細企業相手の仕事は物足りなくなり、会計士になって国際的な仕事に就きたいと考えるようになったのです。当時の会計や監査業務では、何といっても国際会計事務所が時代の先端を走っていたから、そこに対する憧れもありました。この時も私の性分が働いて、違う世界に飛び出してみたくなったのでしょう。

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Profile

公認会計士加藤厚事務所 加藤 厚

公認会計士加藤厚事務所加藤 厚

1943年4月14日
東京都品川区生まれ
1967年10月
税理士試験合格
1968年3月
中央大学商学部会計学科卒業
1968年4月
加藤税理士事務所開業
1971年9月
公認会計士第二次試験合格
1971年10月
クーパース・アンド・ライブランド
東京事務所入所
1975年2月
公認会計士登録
1984年7月
中央監査法人(2000年から、中央青山監査法人)代表社員
2006年9月
あらた監査法人 代表社員
2007年2月
コントロール・ソリューションズ
インターナショナル株式会社
代表取締役社長
2009年4月
企業会計基準委員会(ASBJ)常勤委員、副委員長
代表取締役社長
2013年4月
公認会計士加藤厚事務所開業

[兼業]
スミダコーポレーション株式会社 社外取締役
ユニゾホールディングス株式会社 社外監査役
[専門家としての過去の対外活動]
国際会計士連盟(IFAC)・国際会計士倫理基準審議会(IESBA)ボードメンバー/日本公認会計士協会・常務理事/ 金融庁・証券監督者国際機構(IOSCO)関係担当官テクニカルアドバイザー/企業会計審議会臨時委員等/国際会計基準委員会(IASC)・金融商品起草委員会委員/(財)企業財務制度研究会「わが国会計基準の国際的調和化に関する研究委員会」委員長/中央大学専門職大学院 国際会計研究科特任教授等/早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師/日本監査研究学会理事/日本内部統制研究学会理事/ほか多数

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