熱き会計人の転機
メドピア株式会社
経営企画部部長 公認会計士平林 利夫
公認会計士を目指そうと思ったきっかけを教えてください。
平林私は小学生の頃から野球一筋だったのですが、高校時代にプロになる才能はないと悟りました。ほかに打ち込めるものがないか探していた時、目についたのがいわゆる〝3大国家資格〞。特に興味を引いたのが、公認会計士資格だったのです。
その後、会計が学べる大学に指定校推薦で合格。大学と専門学校のダブルスクールで公認会計士資格取得を目指しました。サークルにも入らず、真面目に授業を受けていたので、友人たちに頼られることもしばしば。逆に、会計士試験前の時期は私が友人たちに助けられ(笑)、そのおかげで在学中に合格することができたのです。
卒業後、どのように進路を選択したのですか?
平林4大監査法人の中でも特に〝鍛えられる〞といわれていた、トーマツに入所しました。野球で心身を鍛えてきた私の性格的に、厳しい環境の方が燃えると思ったのです。
配属先は、国内監査部門。様々なクライアントの法定監査を任されました。その間、担当クライアントが他社に吸収・合併されたり、親会社の監査法人に統一されたりと、毎年のように大きな変化に遭遇。入所2、3年で想像以上の多様な経験をさせてもらいました。
そして、公認会計士登録を機に、今後の進路について考えました。監査法人での仕事に〝やりきった感〞を感じていた私は、「チャレンジするなら今」と転職を決意。エニグモに入社しました。
そのチャレンジから何を得ましたか?
平林エニグモは、海外ファッション通販サイトを運営するベンチャー企業です。私は、そこで経理、財務、総務、労務といった管理業務全般を担当しました。上司の的確なフォローのもと、自由にやらせていただける恵まれた環境だったと思います。
転職してわかったことは、監査法人では過去の数字を評価するのに対し、事業会社では自分で0から1を生み出せるということ。また、それに対する反応を得る面白さも知りました。
2度目、3度目の転職の経緯についても教えてください。
平林次の転職を考えたのは、ちょうど私が30歳になる年、エニグモがIPOに向けて動き出すタイミングでした。トーマツで会計、エニグモで実務を経験した私にも、まだファイナンスに関する経験が欠けている。IPOのアクセルも踏みたいが未経験領域にチャレンジできる最後のチャンスだ、と気づいたのです。
転職先となったグローウィン・パートナーズでは、M&Aのデューデリジェンスやバリュエーションをとおして、ファイナンスの知識を身につけることができました。また、多くの専門家たちと出会ったことで、自分自身も専門家でありたいのか、それとも専門家と交流しながら事業を担う側でありたいのかを考えさせられました。そして、私は後者の道を選んだのです。
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メドピア株式会社経営企画部部長 公認会計士平林 利夫
メドピア株式会社
現在、平林に任せているのは、限りなくCFOに近い役割です。ベンチャーならではの勢いある事業展開のなかで、財務や会計におけるリスクを提示し、常に冷静な判断ができる能力が求められます。また、事業の成長スピードを一層上げていきたい現場のスタッフたちに対し、的確なタイミングで赤信号を示したり、注意喚起したりしなくてはなりません。こうした能力を備えた数少ない人材の一人が、平林なのです。
また、冷静かつアグレッシブに仕事に挑み、面倒なことが起きても逃げずに真正面から向き合う姿勢は高く評価しています。ほかのスタッフのアクションにも目が行き届いており、部下からの信頼も厚い。ただ一方で、メールへの返信が素っ気なかったり、上手なお愛想対応ができない不器用な一面も。まあ、これも彼らしさなのですが(笑)。今後は、当社の成長ストーリーを的確なタイミングで社外へ開示し、健全に期待値を高めていく役割をより担ってほしいと考えています。