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「東急連結グループの多様なビジネスに伴走しながら、最適な経理体制を実現する」
東急ファイナンスアンドアカウンティング株式会社
経理・財務最前線
株式会社モスストアカンパニー総合サポート部
「モスバーガー」を運営する株式会社モスフードサービスのFC子会社として、国内店舗の出店・運営の一部を担う同社。全国約1400店のうち、現在約220店を管轄している。
総合サポート部は同社の管理部門だ。総務、人事、経理などの機能がここに集約されている。同部全体の陣容は10名で、そのうち経理担当は、部長の高橋淳一氏を筆頭に4名である。
「店舗の運営にあたる会社ですから、経理グループも店舗が円滑に運営できるようサポートすることが第一の役割になります。数字をつくるために必要な資料を出してもらいつつ、店舗の負担となる事務作業を軽減できないかを常に考えています。いつでも店舗が最優先です」
実務面では、正確な数字をタイムリーに出すことが要求される。それこそが適切な現状把握と意思決定を店舗にもたらすものだからだ。日々の店舗売り上げはPOSで管理、月次決算は締め日から第7営業日までに確定させている。
「要するに、経理としてやるべきことをきちんとやるということです。それが各店舗のためになり、ひいては会社のためにもなる」と高橋氏は言う。
「会社全体の数字だけでなく、店舗ごとの数字を正確につくるには手間がかかります。その数字が正確でないと店舗ごとの損益が把握できません。また、店舗や支社の業績評価にもかかわってきますので、間違えることはできません」
経理メンバー4人は、記帳、出納、請求書の処理、経費精算の処理、各支社からの起票依頼の処理、店舗の出店・閉店・譲渡・売却などにともなう固定資産の処理などの担当業務を持つ。担当業務は随時見直される。誰がどの業務を担当しても滞りなく仕事を進められる体制づくりを、との意図からだ。
「親会社のモスフードサービスでは各部署が伝票作成を行っており、また、経理部門と財務部門も分かれていますが、当社ではすべてを経理グループで行います。少ない人数で幅広い業務を回せるようになるために一人ひとりローテーションで全業務を経験させているのです」
背景には2014年に経験した会計システムの刷新もあるという。同時に、3つある支社の経理機能が現部署に統合されたことで現場は混乱をきたした。
「業務フローが変わったと同時に業務量も急増したのです。当時は今よりも少ない陣容で、収束まで半年以上かかってしまいました。今もまだ新しい仕組みづくりの途上。まずは各メンバーに様々な仕事を経験してもらい、誰もがオールマイティな体制にしたいと思っています」
少人数のチーム故に、業務の合理化にも意欲的だ。
「複雑な会計処理はあまりないですが、店舗数に比例して作業ボリュームがふくらみます。請求書も約220店舗分が集まるため大変な量に。支払いはなるべく引き落としにするなどして伝票処理の手間を省略しています。またショッピングモールなどテナント店の会計処理や各店の売上金などの入出金の会計処理については、システム化できるソフトを開発・導入し、業務の効率化を図っています」
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部長高橋 淳一
たかはし・じゅんいち/1993年、筑波大学第二学群比較文化学類卒業後、片岡物産株式会社に入社し、約5年勤務。2001年、公認会計士第二次試験に合格、現有限責任あずさ監査法人に入所。12年7月、株式会社モスフードサービスに入社。15年4月、株式会社モスストアカンパニーに出向。現在に至る。