The CFO –ニッポンの最高財務責任者たち-
株式会社global bridge HOLDINGS
取締役 管理部長市村 浩子
「夢に向かって成長しつづけよう」。市村浩子氏がCFOを務めるglobal bridge HOLDINGSの経営理念である。「子どもの頃から数字が苦手だった」女性が会計の道に進み、やがて再生事業と向き合い、そして保育、介護という現代日本が抱える〝ど真ん中〞の課題に取り組む企業へ。あえて〝難題〞に挑戦してきたようにも見える市村氏の歩みは、その理念を体現するかのようだ。むろん、成長は現在進行形である。
「これを話すとみなさんにびっくりされるのですが、数字が大嫌いだったんです、私。高校時代に、スーパーで、あれがいくらこれはいくらと買い物したら、財布の中身が足りなかったくらいのレベル(笑)」
そんな市村氏が会計の世界に飛び込むきっかけをつくったのは、母親だった。娘の通う高校の簿記講座に、彼女を差し置いて通い始めたのである。
「『保護者の方もどうぞ』という課外講座だったのですが、母は公務員として平日もフルタイムで働きながら、そこで勉強し始めた。実際に保護者で来た人は、ほんの数人。そんな姿を見ていると、私もやらないとまずいなあという気持ちになって、次の期から出席するようになったのです。あの〝入り口〞がなかったら、私の人生はまったく違ったものになっていたはず」
やってみると、「簿記はよくできた仕組みだと感じた」というから、素養はあったのだろう。付属校から中央大学法学部に進むと、今度は簿記1級の取得を決心し、資格取得のための講座を開く同大学の経理研究所に所属する。そこは想像以上の「すごいスパルタ」の環境。だが、周囲と切磋琢磨し、1年次に簿記1級資格を取得する。そこから公認会計士試験を目指したのは、ごく自然な流れだったようだ。
「経理研には『次は会計士資格をどうぞ』というコースが用意されていました(笑)。一緒に勉強してきた人たちが挑戦するのに自分だけリタイアするのは嫌だったし、女性でもきちんとした資格を持てば、将来の可能性が広がるのではないかという、漠然とした思いもありました」
引き続き勉強一筋の環境に身を置いた市村氏は、大学4年生の時、2度目のチャレンジで、見事、会計士第二次試験(当時)に合格を果たす。
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株式会社global bridge HOLDINGS取締役 管理部長市村 浩子