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「東急連結グループの多様なビジネスに伴走しながら、最適な経理体制を実現する」
東急ファイナンスアンドアカウンティング株式会社
経理・財務最前線
日特建設株式会社管理本部 経理部
1947年にダムの基礎処理工事から創業し、環境防災・都市再生・維持補修の施工分野に特化して建設技術を磨いてきた日特建設株式会社。ダムの基礎を支える岩盤グラウチング技術や地盤改良技術をはじめ、保有する技術・工法は200種以上。土木分野における特殊技術のエキスパートとして知られる。
10名で構成される経理部は、決算業務を手がける経理課と、出納業務や資金繰りを担当する財務課に分かれる。
「社是に掲げているように、〝見えないところ〟にプライドを発揮するのが私たちの誇りです。基礎技術の施工に強みを持つ技術サービスに負けじと、責任を持ちながら会社の数字を取り扱っています」と、管理部門の経理・情報システムを統括する執行役員の館田康秀氏。
同社は全国に拠点を持ち、公共事業と民間事業を8対2の割合で施工している。特殊な技術を必要とする施工を手がける同社ならではの事情を、経理部長の板橋正和氏が解説する。
「スーパーゼネコンのように全工事をワンストップで手がけるケースもありますが、地盤改良や構造物の補修などをスポットで担当し、特殊技術を提供する工事がほとんどです。公共事業と民間事業を合わせ、全国の支店が担当する工事は年間で2000件以上にのぼります」
各工事の現場では、事業部の責任者が施工管理や工事報告はもちろん、見積もりや予算作成といった収支管理までワンストップで担っている。各現場から上がる数字を支店の事務管理部メンバーが取りまとめ、会計基準に則ったものかどうかを本店経理部が最終チェックする流れだ。現場監督・支店・本部が連携し、緊密なコミュニケーションを取ることで、膨大な工事をスムーズに遂行できるのだ。
「土木工事の現場は省力化や自動化を目指し、ICTの活用が進んでいます。私たち管理部門もDXを推進しており、2023年より新たに経費精算システムを導入し、次年度には現場で作成した見積もりや予算を一気通貫でレビュー、承認できるクラウドシステムを導入予定。現場も経理も、生産性を向上させ、業務の変化に柔軟に対応できる仕組みを積極的に取り入れています」(板橋氏)
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左から、館田康秀/板橋正和
執行役員 管理本部 副本部長
館田 康秀
北海学園大学法学部卒業。同年、日特建設株式会社に入社し、札幌支店事務部に配属。名古屋支店、札幌支店の事務管理部長を経て、2023年、執行役員管理本部副本部長に就任。
管理本部 経理部 部長
板橋 正和
東京会計専門学校卒業。同年、日特建設株式会社に入社し、本店事務本部経理部配属。直轄グラウト工事部、東京支店、北陸支店を経て、2021年管理本部経理部長に就任。