事務所探訪
アークアウトソーシング株式会社
最大の特徴は、バイリンガルサービスを得意としていること。顧客の9割が外資系企業という。そんな同社のルーツは、代表取締役の滝澤和政氏がKPMG監査法人を退職し、滝澤和政公認会計士・税理士事務所を開業した2001年にさかのぼる。
「開業して間もない頃、『自分が顧客なら、どんなサービスを提供してくれる事務所に価値を感じるか』をとことんイメージしてみました。そして、顧客のターゲットを日本での事業展開を考える外資系企業に設定。会計・税務サービス以外にも、日本における会社登記や従業員の給与計算、社会保険といった複雑で面倒な業務をワンストップで解決できる仕組みをつくれば、他社との差別化が図れると考えたのです」
その後、KPMG時代の大先輩である横山榮一郎氏が定年退職することを知った滝澤氏は、06年に共同代表でアークアウトソーシングを設立。スタッフの拡充を図りながら、外資系企業に強い司法書士事務所や社会保険労務士事務所などの提携先を確保。多様なニーズにバイリンガルで対応できる体制を整えていった。
「経営者の器以上に組織は大きくならないと言われます。つまり、経営者としての経験が浅い私一人では限界がある。その点、KPMG税理士法人で代表を務めた経験を持つ横山さんには、様々な専門家や企業とのコネクションが豊富。彼とのタッグも、質の高いワンストップサービスを可能にしている要因です」と語る滝澤氏。一方の横山氏にも、ひとつの思いがあるという。
「長い仕事経験から得た知識やノウハウを、今後は若手の成長に役立てたいのです。しかも、当社のサービスには事業としてはもちろん、スタッフたちのキャリアの可能性を広げるチャンスが豊富にありますからね」
そんな同社では、顧客ごとに専任のスタッフを配置。広範な相談や要求への機動的な対応力が高い評価を得ているようだ。
「業務の効率だけを考えれば、税務申告や保険手続きなど、依頼内容に応じて担当者を分けたほうがいい。ただ、お客さまの立場になって考えれば、1本の電話であらゆる問題を解決できるほうがいいに決まっています。そこで当社では、顧客の窓口を一本化。依頼された内容を担当スタッフが一元管理し、グループ会社や提携先と共有できる体制を整えています」
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