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Accountant's magazine vol.60

-アカウンタンツマガジン-
2021年01月01日発行

会計士の肖像

「会計という社会インフラに通じているのは、大きな武器。どんなことにもチャレンジできるし、その可能性は無限に広がっている」

EY新日本有限責任監査法人
理事長片倉 正美

会計士の肖像

快活な少女が早くから憧れていた職業は「公認会計士」

2019年7月、日本の大手監査法人において初の女性理事長が誕生した。この時、片倉正美はちょうど50歳。太田昭和監査法人(現EY新日本有限責任監査法人)に入所して28年でトップに立った。女性初ということと、理事長としては異例の若さであったことから、片倉の就任は業界内外を問わず注目を集めた。約5500名が在籍する国内最大級のプロフェッショナル・ファームを率いるという立場は、言うまでもなく重責だが、相対してみると、片倉は殊の外自然体で、その重責をも楽しんでいるように映る。人と組織に対する愛情と、未来に向けて「変革を起こす」という強い覚悟――澄んだバランス感覚を武器に、片倉は今、新しいリーダー像を築きつつある。

町工場が並ぶ東京・大田区で生まれ育ちました。うちは鋳物工場でしたが、私が生まれてからは自宅の一部を貸店舗にし、ものづくりと商売の両方をやっていたんです。家業を手伝うのは当たり前でしたし、私も商売には早くから興味を持っていました。

例えば、近所の沼や海からザリガニとかアサリをいっぱい獲ってきて、それを貸店舗の軒先で売るのですが、私と弟が店番を任せてもらえる。それで儲かったら、好きなものを買っていいことになっていたので、自分たちで工夫するわけですよ。ザリガニ一匹100円と一応定価はつけるにしても、数を売ることが大事なので、値下げをしてでも売れ残らないようにするとか。そういった工夫やお客さんとの駆け引きは面白く、商売感覚のようなものは自然と身についたように思います。

中学からは中・高一貫校である成城学園に通ったのですが、思い返すと、けっこう体を動かしていましたね。部活は剣道で、わりに強かったんですよ。当時の試合って男女混合だったんですけど、実際、男子と対戦しても勝ちましたし(笑)。あと、成城学園には毎年大きなチャレンジプログラムがあって、例えば、中学生には難しい槍ヶ岳登山とか、富士五湖の西湖2周マラソンとか、生徒に“挑戦”をさせるのです。もちろん先生や卒業生たちのサポートを受けながらですが、必死になって臨むと、終わった時に素晴らしい達成感を味わえる。今にすれば、精一杯の努力をする、全力を尽くすことの意義を教えてくれたんですね。

「将来は会計士になる」。小学校の卒業文集にはすでにそう書いていました。これは、税理士事務所で働いていた母の姉弟たちの影響です。私はよくそこに遊びに行っていたのですが、訪れる大人は皆、ケーキなどの手土産を持ってきて、しかも口々に「先生、ありがとうございます」と言う……一体この仕事は何なのだろうと、子供心に強烈で。その後、「税理士もいいけれど、公認会計士も面白いと思うよ」と教えてくれたのは伯母でした。それがどういう仕事なのか、当時の私には知る由もなかったけれど、人から感謝される仕事っていいなぁと、純粋に憧れたのです。

そのまま成城大学に進む同級生が多い中、「外に出たくなった」片倉は、明治大学経営学部に進学。当時は圧倒的に男子学生が多く、それは世間的な常識でもあったが、もとより“つるむ”ことを好まない片倉はマイペースである。「全然知らなくて、受験会場では男子校かと思ったくらい」。

こと六大学の経営学部というのは、女子がかなり少なかった時代で、実際、私が入ったクラスの女子は全員で3人。もっとも昔から、自分の興味のままに動くと、こういう環境になることは珍しくなかったんですけどね。

入学してからは、とにかく「大学生だからできること」を一式やってみたかったので、あれこれ動いていました。自分でサークルをつくったり、アルバイトに勤しんだり、ゼミもやらなければもったいないし……と。

アルバイトは好きな接客業がメインで、中でも印象深いのは、ツアーコンダクターにちょっと近い仕事。羽田空港の国際線フロアでお客さんにチケットを手渡したり、渡航先を案内したりする仕事で、「台湾の税関はこうなっていますから……」などと、行ったこともないのに“知った顔”してやっていました(笑)。実は大学受験の頃、私は会計士への憧れを持ちながら、世界中に行けるツアコンもいいなぁと、浮気心を持ったことがあるんですよ。基本的に、人のお世話をするのが好きなんでしょうね、私は。

明大の経理研究所が主催する簿記講座を受けたのは、大学2年の時。簿記3級、2級を取得してから研究所に入所し、併せて専門学校にも通い始めました。ですが、変わらずサークルやアルバイトに精を出しながらの勉強だったので、本腰を入れたのは遅かったんですよ。もっと早くエンジンをかけていればよかったのでしょうが……会計士試験の現役合格は叶いませんでした。

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Profile

EY新日本有限責任監査法人 理事長 片倉 正美

EY新日本有限責任監査法人理事長片倉 正美

1968年10月4日
東京都大田区生まれ
1991年3月
明治大学
経営学部卒業
1991年10月
公認会計士
第二次試験合格
太田昭和監査法人
(現EY新日本
有限責任監査法人)入所
1995年3月
公認会計士登録
2005年5月
経済産業省
商務情報政策局
情報政策課勤務
(2年間)
2011年7月
シニアパートナー就任
2016年2月
常務理事就任
2019年7月
理事長就任

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