The CFO –ニッポンの最高財務責任者たち-
株式会社クロス・マーケティング
取締役 CFO人見 茂樹
ニッポンの最高財務責任者=CFOの人物像を紹介していく本連載7回目にご登場願ったのは、クロス・マーケティングの人見茂樹氏。「やりたいこと」を求め、監査部門からコンサルティング部門に自ら手を挙げて異動。やがてそれにも飽きたらず、”経営する側“に身を置くことになった人見氏の、“キャリア・ストーリー”を聞いた。
高校時代はギターに青春をかけ、ミュージシャンを志したこともあった人見氏が公認会計士試験にチャレンジしようと決意したのは、大学生活も後半にさしかかってからのこと。
「大学の授業を通じて経済学、特に経済政策にがぜん興味が湧いたんです。で、就職のことが頭にちらつき出した頃、試験科目に経済学がある会計士試験を受けてみようと思い立った。ただ、資格を取ってこんな仕事がしたいなど明確なビジョンはありません。余談ながら、僕の選択はいつもそんな“枠にとらわれない”人生。その時、面白いと感じた方向に突き進んでいくというパターンが多かったように感じます」
3年の終わり頃から専門学校に通い、本格的な勉強を開始。難関の会計士資格試験に目標を定めたのならば、突破のために全身全霊を傾けるのが普通だろう。だが人見氏はちょっと違った。
「各科目とも、合格ラインを最低限クリアできるよう勉強しました。ただ経済学だけは、本棚一つが専門書で埋まるくらい趣味的に究めましたね。明らかに試験のレベルを超えていた。でも楽しくて仕方がなかった。おかげで試験勉強自体、大変だったという記憶はないんですよ」
何ごとにも、その人に合ったやり方があるということなのだろう。実質的な勉強期間は1年半ほど、大学を卒業した1987年の夏には、見事、第二次試験に合格。そして、翌88年10月、青山監査法人に入所。ただし、そこは、想像と少し違う世界だった。
「監査法人が何をするところなのか、そもそも会計監査って何なのかを、ほとんど知らずに入ったわけです。コンサルタントとか、もしかしたらエコノミストみたいな仕事ができるのかと勝手に思い込んでいた(笑)。監査をとおして様々な会社を見られるのは勉強になりましたが、自分のやりたいことは別にあるのではないかという思いが、だんだん強くなったのは事実です」
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株式会社クロス・マーケティング取締役 CFO人見 茂樹
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