
監査法人の未来を担うエースたち
太陽有限責任監査法人
東京事務所 第4監査グループ マネジャー足立 光陽
監査法人の第一線で「エース」級の成果をあげている会計人を紹介する当連載。第8回に登場するのは太陽有限責任監査法人の足立光陽氏だ。現在は監査業務の傍ら、リクルーティングやCSR活動など間接業務にも関与している。同法人ならではの「チャレンジできる環境」も足立氏の成長を促したようだ。
高校2年時、文理選択をする際に将来の職業を考えた。やりたいことは具体的には思い浮かばない。「とりあえず」の気持ちで、足立氏は父親と同じ公認会計士を目指すことにした。
「父は家で仕事の話をしない人だったので、母に一度相談してみました。すると『今の生活レベルを変えたくないなら、会計士にすれば』とドライなアドバイスが(笑)。大学進学時点では、会計士といえば『つぶしがききそう、食べていけそう』というイメージがあるくらいでした」
幸い、進学した会計学科でも勉強に抵抗を感じることはなかった。卒業後に再会した大学の同期は、当時の足立氏を思い出しながら「真面目で優秀な感じだったね」と評したという。
だが、ここで予想外の挫折を経験する。会計士試験予備校の特待生に選ばれるほどの学力がありながら、短答式試験に3度落ちてしまったのだ。
「周りの同期は早々に合格していくのに、自分だけ取り残されてしまった。あの時はかなり落ち込みました。一般企業への就職も頭をよぎりましたが、それまでの勉強を無駄にするのはもったいないと踏みとどまりました。いったん気持ちを切り替えるために、税理士試験の2科目のみを短期集中的に勉強してクリア。その勢いで4度目の短答式試験に臨み、無事に合格。論文式試験は、大学を卒業した年に合格しました」
太陽有限責任監査法人との出合いは、会計士試験合格翌日に参加した就活セミナーだ。当時のパートナーの話が胸に響いた。
「『どんな会計士になりたいのか真剣に考えてみるべき』『太陽なら幅広く経験を積める』という内容でした。私が会計士を目指したきっかけは『食べていけそう』と考えたからですが、言い換えると『マルチな経験を積めそうな職業だから』です。そうなると、大きすぎず小さすぎずの規模で、多種多様な業種のクライアントとかかわれて、任される仕事の幅が広そうな太陽は、ぴったりだと感じました。ですから、入所して以降も、『自分はこの業務しかやらない』と決めつけたことはこれまで一度もありません。困っている人を助けたい、そのためなら何でもやりたい、というシンプルな気持ちが根底にあります」
太陽有限責任監査法人に入所すると、1年目から金商法監査、会社法監査、IPO監査に関与するのが一般的。足立氏も同様だった。上場企業の監査チームにスタッフとして配属された初日は「何もできず、打ちのめされた」というが、その悔しさをバネに研鑽を積み、2年目には後輩指導も経験。順調なキャリアを歩んでいくことになる。
「ただ、修了考査に一度落ちてしまって。同期は全員合格していましたから、またか、と……。嫌なデジャブでした(笑)」
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