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「東急連結グループの多様なビジネスに伴走しながら、最適な経理体制を実現する」
東急ファイナンスアンドアカウンティング株式会社
経理・財務最前線
株式会社VOYAGE GROUPファイナンス本部
ポイントサイト「ECナビ」に加え、オンラインリサーチ、ポイント交換サイトなどを企画・運用する「メンバーシップメディア事業」、ネット広告配信の最適化を図るプラットフォーム構築などに取り組む「アドテクノロジー事業」が、同社の二大事業ユニット。そのほか日進月歩のインターネット関連分野で、常に新たなビジネスに挑んでいる。
「『ECナビ』以外は、20ほどある子会社がそれぞれの事業を独自に運営し、それをグループが束ねるイメージ。とはいえみんな一緒に仕事をしていますし、子会社というより事業部に近い感覚ですね」と永岡英則取締役CFOは言う。
グループの会計を担当するファイナンス本部は、本部長の下に経理グループと財務グループがあり、全体を統括するCFOを含め、総勢10名の体制だ。
日々の仕事について水を向けると、永岡氏からは「複雑性とスピードの掛け算で、圧倒的に難易度が高い経理・財務です」という答えが返ってきた。
「まず連結会社の数が多く、各子会社には経理担当を置いていません。結構な数の連結決算を本体で、非常にスピーディーに回していく必要があります。加えて経営管理でもスピードが求められます。当社のような事業の場合、現場が即断即決できないと勝負になりません。そのため各事業責任者にP/Lを管理させ、それが可能な体制を敷いています。そのうえで、すべての事業担当者が週1回集結し、進捗状況を報告するとともに、グループ全体の状況を把握します。我々にとっては、管理会計としての連結決算を毎週やっているようなものなのですね」
そこまでスピードにこだわるのは「そのくらいのペースで回していかないと、周囲(=業界)の景色があっという間に変わってしまう」からだという。
一口にネット関連といっても各社やっていることは多岐にわたるし、“人を軸とした事業開発会社”を標榜するだけあって、新たな仕事も次々に立ち上がる。子会社同士の“内部取引”的なプロジェクトにも、会計上対応しなければならない。先の永岡氏のコメントも、うなずけようというものだ。
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取締役CFO永岡 英則
1996年3月、一橋大学商学部卒業。同年4月、日本初の独立系経営戦略コンサルティングファーム・株式会社コーポレイト ディレクション入社。2000年5月、株式会社VOYAGE GROUPへ転職。同年9月、取締役に就任。05年3月、立教大学大学院ビジネスデザイン研究科修了。現在に至る。