The CFO –ニッポンの最高財務責任者たち-
GMOフィナンシャルホールディングス株式会社
取締役兼常務執行役 CFO山本 樹
GMOフィナンシャルホールディングスはGMOインターネットグループの金融持株会社だ。傘下にGMOクリック証券、FXプライムbyGMO、GMOコインなどを抱える。同社CFOの山本樹氏は、センチュリー監査法人(当時)を経てGMOインターネットに入社。以来、様々なポジションから同グループの成長を支えつつ、「金融サービスをもっとリーズナブルに もっと楽しく自由に」という企業理念を胸に、日夜奮闘を続けている。
附属高校からの大学進学だった。受験を経て入学してきた同級生と自分を比べて、すぐに痛感した。このままでは将来が危うい。「何か真剣にやったほうがいいんじゃない?と、当時の彼女にも言われまして。その女性が今の妻なのですけど」。そんな時、学内でたまたま目についたのが、公認会計士を目指す勉強会。まずは入会後数カ月で簿記3級・2級の取得を目指すという。そのための講義を受けたところ、スムーズに合格できたのだった。
「簿記、意外と面白いなと思いました。そのまま、じゃあ公認会計士を目指そうとなって、監査法人に就職するという目標も定まった。事業会社で働くイメージは持てませんでした。3年次に受けた第二次試験には落ちましたが、何とかして在学中に受かりたい、という気持ちが一番でした」
念願叶い、大学4年次に第二次試験に合格。就職先はセンチュリー監査法人(現EY新日本有限責任監査法人)を選んだ。大手監査法人の面談は一とおり受けた。その中で比較的規模が小さなセンチュリーだったが、「フランクな雰囲気が気に入って」惹かれたという。配属は国内監査部門だった。
「本当は国際部に行きたかったんです。当時、1つ上の安田昌史さんという先輩が国際部にいまして、『センチュリーに来なよ』と誘ってもらいました。だから当然、国際部に配属されるものと思っていたら、辞令は国内部だったんですよ(笑)。安田さんからは配属後に、『それも何かの縁だから頑張れ』と電話をもらいましたけど」
センチュリー監査法人には1998年から約9年間在籍した。主に大手銀行グループの監査を担当。監査以外にも、様々なデューデリジェンス、バリュエーション、内部統制など業務内容は多岐にわたった。「充実した9年間だった」と山本氏は当時を振り返る。勉強したことを現場で実践していく日々にはいつも発見があった。先輩や同僚、クライアントにも恵まれ、常に成長できているとも感じていた。
「監査という仕事が、経済社会にとってすごく大事なものだと思っていました。1年かけて監査して、最終的な成果物は確かに紙一枚かもしれない。クライアントに苦言を呈することもある。今、事業会社側の立場になってみて、難しい仕事をしていたんだなと。貴重な時間を過ごすことができました」
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GMOフィナンシャルホールディングス株式会社取締役兼常務執行役 CFO山本 樹