事務所探訪
税理士法人矢崎会計事務所
東京・練馬区を拠点とする矢崎会計事務所は1948年に開業し、地域に根差した税務会計サービスを提供してきた。現在、法人顧客は約300社を抱え、確定申告は年間500件以上を処理。さらに、相続や事業承継の案件にも数多く対応している。事務所を率いるのは、3代目代表の矢﨑誠一氏だ。
「私の代になってからは、資金調達を含めた経営支援をワンストップで提供することに注力しています。特にスタートアップ企業や飲食店の支援に特化し、経験と知見を積み重ねてきました。これにより、地域密着型でありながら、他事務所との差別化を図っています」
矢﨑氏が監査法人勤務を経て代表に就任した当初、事務所は業績の低迷やクレーム、解約が相次ぐ厳しい状況に直面していた。残業が常態化し、所内の士気も低下するという苦境のなか、矢﨑氏は全国の有力な会計事務所をベンチマークし、教えを乞うなど改善のヒントを模索。その結果、意外にも足元に解決策が見つかったという。
「所員一人ひとりと改めて対話を重ねるなか、『お客様に感謝される仕事がしたい』という共通の思いが見えてきました。当時、会計事務所が税務顧問業務だけでなく、コンサルティング業務にも幅広く取り組むという潮流がありました。しかし、うちのメンバーにはその方向性が必ずしも合うとは言い切れませんでした。そこで、顧客一人ひとりに真摯に向き合い、喜ばれる仕組みづくりを目指すことにしました。この気づきを経営理念や事業計画に反映させることに注力したのです」
「顧客に喜ばれるサービス」を目指す矢﨑氏が選んだのは、「提携先を増やす」という打ち手だった。現在、弁護士をはじめとし、Webや不動産・設備関連事業者など、200を超える多彩な提携先とのネットワークを構築、クライアントの多様なニーズに応えている。このネットワークこそが、矢崎会計事務所の大きな強みだ。
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税理士法人矢崎会計事務所代表社員 公認会計士 税理士矢﨑 誠一
2005年、立教大学法学部卒業。06年、公認会計士試験合格後、現有限責任監査法人トーマツ入所。11年、大手税理士法人に転職。12年、矢崎会計事務所入社。13年、税理士法人を設立、代表社員就任。23年、監査法人KSM&パートナーズ設立、パートナー就任。資金調達相談士。経営心理士。W e b3.0(暗号資産、NFT等)の最新テクノロジーの税務に精通。
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