熱き会計人の転機
管理会計ラボ株式会社
代表取締役 公認会計士梅澤 真由美
公認会計士を志したきっかけを教えてください。
梅澤高校から大学院までずっと“リケジョ”だったのですが、学部の授業で簿記に触れ、興味を持ったんです。当時は就職氷河期。資格が「人生の保険になる」という考えもありました。
試験合格後、トーマツに入所されました。
梅澤国内監査部門に所属しました。手を挙げれば何でも経験させてくれる環境ということもあり、IPOなどの業務も担当することができました。当時、服飾関係や小売業など多店舗展開するクライアントにアサインされたことは、その後のキャリアに影響しています。のちに転職した日本マクドナルドやウォルト・ディズニー・ジャパンで仕事をするうえで役立つ経験を身につけられました。
監査法人での仕事は、キャリアの入り口として最高だったと思います。会計士だからこそ、いろいろな会社の貴重な情報に触れることができましたから。一方、事業会社に対して外から助言するしかない立場がもどかしかった。今度は自分の手で会社を動かしてみたいと思い、事業会社への転職を決めました。
どんな仕事を?
梅澤内部監査、経理、管理会計、予算管理と、幅広く経験を積みました。なかでも日本マクドナルドで触れた管理会計はカルチャーショックといえるほどの面白さでした。制度会計とは違う、絶対的な正しさがない会計の世界があるのかと。経営者の厳しいリクエストに応えるかたちで、経営の役に立つ“使える数字”をつくる訓練ができました。その後、ディズニーに転職したのも、米国の本場の管理会計を学びたかったからです。
ディズニーでは「ストーリーテリング」の重要性を叩き込まれました。単に数字を羅列するのではなく、その数字にどんなメッセージが含まれているのかストーリーで説明するのが使命なのだと。日本の会計士は“数字の専門家”のイメージがありますが、ディズニーでは「数字がわかるからこそストーリーが伝えられる」という考え方をする。これも私にとって一種のパラダイムシフトとなりました。
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管理会計ラボ株式会社代表取締役 公認会計士梅澤 真由美
税理士法人ベルダ代表公認会計士・税理士
梅澤はトーマツ時代の同期で、20年来の付き合いになります。当時は仕事上の絡みはなかったのですが、今では私の“師匠”(笑)。執筆や講演の経験は梅澤のほうが長く、何かと教えてもらう場面が多くなっています。
梅澤がすごいのは、プロデューサー的な役割ができるところです。「これは面白い」と思ったことを見つけて、それを世の中に送り出すために働きかけたり、私を含む会計業界の人間を褒めて育てたり(笑)がとても上手です。私は普段、徳島県に拠点を構えて仕事をしているので、梅澤からの声がけがなければ、執筆や講演の機会も今より少なかったでしょう。
梅澤が、会計士業界の新たな才能を発掘し、業界全体をレベルアップさせる起爆剤になる。個人的にはそんな期待をしています。