The CFO –ニッポンの最高財務責任者たち-
株式会社ディー・エル・イー
取締役 CFO 経営戦略統括本部長川島 崇
ニッポンの最高財務責任者=CFOの人物像を紹介する本連載の17人目に登場願うのは、ディー・エル・イーの川島崇氏だ。将来的な起業も視野に、監査法人から事業会社に転じたのが35歳の時。今は「会社をディズニーに比肩するエンタメ企業に」と夢を語る川島氏のキャリアストーリーを聞いた。
川島氏が、本人曰く「不純な動機」から会計士を志したのは、大学受験に失敗した浪人時代のことだった。
「たまたま手に取った本に、公認会計士のことが紹介されていたんですよ。『経済系で最高峰の資格』というのが心に刺さった(笑)。いずれ経済界に出てバリバリ働きたいという漠然とした気持ちがありましたから、これは取っておいて損はない資格だな、と。合格者数ランキングの上位に東京の大学が並んでいるのも気に入りました。僕は大阪の出身なんですが、『東京に出たい』と親を説得するいい材料になりましたから。地元の大学に行って、現役合格している友人たちの後輩になるのは、まっぴら御免だった(笑)」
首尾よく明治大学商学部に入ると、1、2年の時は独学で簿記を学びつつバイトでお金を貯め、3年になってから本格的な勉強を開始する。
「勉強すれば必ず会計士になれるという保証はありませんでしたけど、不思議と将来に対する不安や悲壮感みたいなものは感じなかったですね。よく悪夢を見るっていうけれど、僕が見るのは受かった夢ばっかり(笑)」
4年の時に初チャレンジした会計士試験で、それは“正夢”になりかかる。
「勉強不足だったから、受かるわけがなかったんですね。ところが、何も考えずに短答式のマークシートの“2”だけ塗り潰したら、これが当たりまくりで合格。続く論文試験では、自分でも惚れ惚れするような答案が書けたんですよ。まあ、今にして思えば独りよがりの“作文”で、当然のごとく不合格だったんですけど」
結局、合格を果たしたのは2年後の1998年。その年の10月に当時の朝日監査法人に入所する。
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株式会社ディー・エル・イー取締役 CFO 経営戦略統括本部長川島 崇
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