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「東急連結グループの多様なビジネスに伴走しながら、最適な経理体制を実現する」
東急ファイナンスアンドアカウンティング株式会社
経理・財務最前線
株式会社カカクコム管理本部 財務経理部
価格比較サイト「価格・com」、口コミグルメサイト「食べログ」など、ユーザー本位のサービスを数々リリースしてきた株式会社カカクコム。その管理本部・財務経理部は15人ほどの陣容だ。出納業務を中心とする財務チーム、決算・経費チーム、販売・債権管理チームに分かれ、ローテーションする。ほぼ全員が中途採用者で、ほかの事業会社の経理財務部門経験者が多くを占めるという。
「事務量が多い部署ですが、みんな効率的に業務を回してくれています」と取締役の上村はじめ氏。「価格・com」の取引先は1000社以上。全国の飲食店と契約する「食べログ」に至ってはその数、5万店に達する。「請求書の発行量だけでものすごい数です」。当然ながら会計システムは導入済みだが、それよりも業務の標準化による効率アップを図るのが同部の方針である。各事業部との連携も欠かせない。新規のサービスが登場するたび、当然、新しい取引形態が生じるからだ。
「どんなオペレーションで回すか、会計処理をどうするか、初期段階から事業部門とコミュニケーションをとりつつ定めています。ですから新サービスが立ち上がり、成長していく過程は管理部門においても体験できる。非常にエキサイティングです」
財務経理部門にとって対外的な情報開示は基本的な役割の一つ。加えて経営の意思決定に寄与する情報を提供する管理会計の機能も重要だ。同社では経営企画室も管理会計的な機能を担うため、両部門が連携しながらマネジメント層に適時必要な情報をあげていく。過去には手痛い失敗もあった。
「その当時は、月次決算が閉まるまで、月の売り上げがいくらになるかわかりませんでした。ある年、決算近くになってから業績予想に達しないことが判明したのですが、手の打ちようがなく、目標未達に終わってしまった……。この反省を踏まえて仕組みを導入し、今は週次で売り上げ見通しを追いかけながらマネジメントしています」
とはいえ、日々のオペレーションをしっかりこなすのは当然のこと。新たなサービス、新たな挑戦に向かう事業部門をサポートし、ひいては事業規模拡大、企業価値向上に貢献することが最大のミッションになる。
「数字の目標を負わない管理部門であっても、去年よりもっとよくしていこうとチャレンジする気持ちで業務改善に当たってほしいと思っています。来年度からはIFRSを導入予定。これも新しいチャレンジですね」
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取締役上村 はじめ
1996年、慶應義塾大学経済学部卒業。99年、公認会計士二次試験合格、センチュリー監査法人(現有限責任あずさ監査法人)入所。2003年、公認会計士登録。04年、株式会社カカクコム入社。経営企画室室長、取締役経営企画部長などを経て、13年、管理本部担当取締役。現在に至る。