会計業界の起業人
アトラス総合事務所
代表パートナー井上 修
業界でも、いち早くIT技術の進化に着目し、クライアントへのパソコン会計ソフト導入やネット活用による業務の効率化・迅速化を支援。常に顧客視点に立ったサービスと明瞭な料金設定で、税務から労務、法務に至るまで中小企業の経営をトータルにサポートしているのがアトラス総合事務所だ。
「たとえば、定期的な顧客訪問やそれにともなう会計事務所報酬など、私たちが当たり前だと思っていることでも、お客さまによっては不要なこと、負担になっているサービスは多い。お客さまは会計事務所に何を求めているのか、どのような不満や不安を抱いているのか?本当のニーズを理解するためのアンテナを張り、その答えを見つけようとする姿勢が大切なんです」と語る同事務所代表の井上修氏。学生時代のことに話が及ぶと、「高校に入学するまでは家族もあきれるほどの勉強嫌いだった」という答えが返ってきた。
「中学時代に麻雀にのめり込んだおかげで、希望した高校受験は軒並み失敗に終わりました。『こんなデキの悪い息子に育てた覚えはない!』と、母に嘆き、泣かれましてね。さすがに、このままではマズイと改心しました(笑)」
どこか入学させてくれる学校はないものか――。ようやく見つけたのが、自宅からほど近い商業高校だった。母の気持ちに報いるために、高校入学後すぐに、“最難関”と聞いた公認会計士の資格取得を決意。そして猛勉強の末、中央大学商学部への進学を果たした。
「といっても、在学中と卒業後に受けた第二次試験には2度も落ちましたけど(笑)。それでも机に向かう私を見て、母は大喜びでした」
そして1981年10月、3度目の正直で合格通知を手にした井上氏は、23歳でアーサーヤング公認会計士共同事務所(現新日本監査法人)に入所した。
「初めから大手監査法人に行くつもりはありませんでした。小規模でもいい。多種多様な案件や課題について自ら考え、提案できる職場で自分を鍛えたかったのです」
だが、監査に携わる以上、定められたルールに則り業務に向かうのは当然のこと。そんな縛りの多い仕事に不満を感じ始めた頃、転職を決意した。
「税務やいろいろな企業の株式公開準備や組織再編業務にかかわれる。そして何より、代表者である山田幹夫先生の人柄に惹かれ、すぐに興亜監査法人への転職を決めました」
成長過程にある企業の株式公開準備はハードな仕事ではあったが、とても創造的で、大きなやりがいを感じた。そして、これまでにないアイデアを持ち、未来の成功を信じて前進し続ける経営者を見ているうち、自分も独立したいと考えるようになったという。
この記事の続きを閲覧するには、ご登録 [無料] が必要です。
アトラス総合事務所代表パートナー井上 修