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「東急連結グループの多様なビジネスに伴走しながら、最適な経理体制を実現する」
東急ファイナンスアンドアカウンティング株式会社
経理・財務最前線
株式会社ファーストリテイリング計画管理部
「当社は、“お客さまの立場に立脚”することに高い価値をおいており、管理部門も常に“お客さまに満足していただくこと”を念頭に仕事に取り組んでいます」。計画管理部の杉崎克宏部長・経理担当はそう話す。
同部は経営計画、経理、財務、IRの各部門からなり、総勢100名ほどが所属する。うち経理部門は、45名(正社員25名)の部隊で、海外子会社を含む連結決算、開示業務、セカンダリー上場している香港市場対応などを行うグローバル経理と、国内経理、それに各店舗のレジまわりから派生する業務に対応する店舗経理に分かれている。
では、「お客さまの満足を第一に」する経理の仕事とは、どういうものなのか?
「例えば、当社は、先頃およそ30店舗で、外国人観光客向けの消費税免税(旅行者免税)サービスを始めました。導入に当たっては、IT、税務、営業、それに決済されたものを決算につなげる我々経理の貢献も欠かせません。『お客さまの喜ぶことは、“即断、即決、即実行”』を掲げる柳井正社長の号令の下、4者で方針を具体化し、実現させました。税務当局とのやり取りも必要ですから、常識的には2〜3カ月はかかるところを、早い店では3週間ぐらいでスタートさせたんですよ」
このエピソードにもあるように、同社の仕事はスピード重視。
「何か課題が見つかったら、関係部署の役員、部課長、現場の人間なりが、即座にワンテーブルに集まり、ディスカッションして、その場で方向性を固めるのです。『今日は担当の〇〇部長がいないから、明日にしよう』というやり方は、当社とは無縁のものですね」
そうした“チームワーク”においては、「我々がリード役になるよう心がけている」という。
「起こっている問題を、より包括的、多面的にとらえ、ITも営業もオーバーオールに引っ張れるのは、数字を見ている経理なのです。逆にいうと、そういう経理でなければならない、と思っています」
「ユニクロ」ブランドの中国やアジアなどへの進出のほか、「セオリー」(ニューヨーク)、「コントワー・デ・コトニエ」(パリ)ブランドの展開といった海外戦略を推進する同社は、「2〜3年後には国内外の売り上げが逆転する」勢いだ。当然、経理のグローバル化も求められている。それぞれの拠点にある経理部門に対しては、「本部のアカウンティングポリシーをしっかり伝えつつ、各国のCFOなども含めて、対等の立場で議論すべきところは議論する」ことを基本に置く。
「海外での新たな拠点づくりも、引き続き活発です。現地の人間たちとコミュニケーションを取りながら、経理機能立ち上げのサポートをするといった仕事が増えていますが、そのへんはあまり他社の経理にはない、ユニークな業務かもしれません」
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部長・経理担当杉崎 克宏
すぎさき・かつひろ/1991年3月、南山大学法学部卒業。同年4月、ソニー株式会社入社。東京本社、ニューヨーク、ロンドン、上海などのオフィスを拠点とし、経理および国際税務の業務に従事する。2012年12月、株式会社ファーストリテイリング入社。14年3月、計画管理部部長・経理担当に就任した。