The CFO –ニッポンの最高財務責任者たち-
株式会社レアジョブ
取締役 CFO藤田 利之
ニッポンの最高財務責任者=CFOの人物像を紹介する本連載の19人目にご登場願うのは、レアジョブの藤田利之氏だ。会計士試験合格後、いったん事業会社に就職。その後、監査法人、IPOを目指すベンチャー、事業再生のコンサルと渡り歩き、現職に。その多彩なキャリアストーリーを聞いた。
静岡・磐田で育った藤田氏は、「高校生ぐらいの時には、すでにサラリーマンに向く人間ではないことを自覚していた」と言う。
「例えば、先輩を尊敬するかどうかはこちらが決めること、“押し売り”するなよ、っていうタイプでしたね(笑)」
公認会計士を目指そうと決意したのは、高校2年の時だ。
「独立のためには、やっぱり資格だろう、と思って関連の本を読むと、公認会計士は『企業ドクター』のように紹介されていて、とても魅力を感じたのです。数学は得意だったので、企業に関連する数字のプロになれたら素晴らしい。監査をやりながらいろんな大企業の中も見られそうだし、いざとなったら税理士業務もできる」
勉強をスタートさせたのは、明治大学商学部2年生の時である。「1年あれば受かるだろう、という変な自信」が現実になるほど甘くはなく、3年生での初チャレンジは、見事に失敗。「本腰を入れねば」と臨んだ翌年も、不合格の憂き目を見る。そんな中、日本経済のトレンドは、大きな変貌を遂げつつあった。
「入学した1990年はバブルの絶頂で、2年生ぐらいまでは、周囲も『就職は楽勝』の雰囲気でした。ところが、3年になるといきなり『ヤバい』に様相が変わり、4年の時には『入れればラッキー』という感じでしたね」
結局、大学卒業後も浪人して勉強に励み、95年に念願の第二次試験合格を果たす。だが、“合格率の低い年”にもかかわらず、半数は監査法人に就職できない、という厳しい現実が待っていた。そんな中、ソニー・クリエイティブプロダクツに中途入社する。
同社では、経理担当として働きながら補修所に通い、会計士資格を取るつもりだった。が、またも思惑は外れる。
「会計士試験に受かったスーパーマンみたいなやつが来ると思われたのか、業務量が半端じゃない。有給を取って補修所に通うどころか、ほぼ毎日終電で、入社3カ月で10キロ痩せました(笑)。このままでは、会計士にはなれないと思い、なんとか最初の決算をやり遂げて、退職したのです。在職期間は1年に満たなかったですね」
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株式会社レアジョブ取締役 CFO藤田 利之
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