事務所探訪
RSM汐留パートナーズ株式会社
公認会計士、税理士、社会保険労務士、行政書士、司法書士という士業の垣根を越え、「真のワンストップサービス」を追求する――2008年の設立以来、ぶれることなく掲げてきたRSM汐留パートナーズのミッションだ。CEO前川研吾氏がグループを先導するなか、コンサルティングを手がける同社を中核に、税理士法人、社会保険労務士法人、行政書士法人、司法書士法人が有機的に連携する。
グループメンバー200名強のうち、公認会計士・税理士をはじめとする士業の有資格者は約50名。記帳代行や税務顧問といった会計税務に加え、人事労務の困り事も解決する。リーマン・ショックに襲われた創業当時から震災やコロナ禍を経ながらも、着実にグループ規模を拡大。時代の潮流を読み、クライアントに寄り添うサービスを提供してきた。急成長の背景を問うと、前川氏は「専門性を高めた士業の軸に加え、言語という軸を加えたクロスボーダーなサービスこそ、当グループの強み」と明言した。
「中国出身の社員も10名在籍しており、英語のほか中国語でも業務を遂行できる陣容が整っています。主に欧米や中華圏から日本に進出する外資系企業に対して、バイリンガルやトリリンガルのプロフェッショナル・スタッフが、質の高いサービスを提供しています」
設立15年の節目となる22年には、グローバル会計ネットワークのRSMインターナショナルに加盟。グループ全体のリブランディングも行った。
「RSMはグローバルの売り上げは1兆円超で、メンバーも5万7000人以上。会計ネットワークでは世界6位、米国でも5位と、ビッグ4に次ぐスケールです。メンバーファームからの顧客連携は増えており、クロスボーダー案件の広がりにメリットを感じています。ただ、私たちの情報セキュリティやサービス品質にも高いレベルが求められます。第二創業のような気概で、グループ全体が奮い立っているところです」
ネットワークのシナジーを生かしつつ、グローバルとローカルの両面に高い視座を置き、さらなる成長を目指す。前川氏が語る成長ビジョンはアグレッシブだが、その企業風土は極めて家族的だ。創業以来、大切にしているという経営理念を含む汐留フィロソフィ。筆頭には「従業員と家族の幸せを大切にする」と記されている。
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RSM汐留パートナーズ株式会社代表取締役社長CEO 公認会計士(日本・米国)・ 税理士・行政書士前川 研吾
2003年、北海道大学経済学部経営学科卒業。同年、公認会計士第二次試験に合格、現EY新日本有限責任監査法人に入所。法定監査、IPO業務支援に従事する。07年、公認会計士・税理士登録。08年、汐留パートナーズグループを設立。09年、グループCEOに就任。22年、RSMインターナショナルに加盟。慶應義塾大学大学院経営管理研究科(EMBA)修了。